「ようやく心の片隅のモヤモヤが晴れた」
この女性は、上地容疑者についても何度か見かけたことがあったという。
「アパートを出てくるときは黒の背広にピシッとしたオールバックの髪型で、まるでヤクザ映画に出てくるような人でした。ガタイもよかったので、いわゆるカタギではない雰囲気でしたね。挨拶とかも一切なくて、燃えるゴミの収集日じゃないのに家庭ゴミを投げ捨てているのを見たこともあって『マナー的にどうなの?』と思いましたが、見た目が怖いのでこちらから声をかけることはありませんでした」
その一方で、上地容疑者は永野さんと近隣住民の男性と3人で、頻繁に駅前の居酒屋に飲みに行っている姿も目撃されており、そんな矢先、事件が起きたという。
「上地容疑者が指名手配されてからは、あれだけポスターも貼られているし『もうこの辺には戻ってくることはないだろう』と思っていました。ここ何年かは主人と『もう(上地容疑者は)亡くなってるんじゃない?』とも話していましたが、やっぱり駅前のポスターを見るたびに思いだしてゾッとすることもありました。だから今回の知らせを聞いて、ようやく心の片隅のモヤモヤが晴れたような気分です」
容疑者死亡という形で、書類送検することで幕を閉じた今回の事件。「指名手配ポスター」を貼られていた人物のなかには、今年1月には「東アジア反日武装戦線」のメンバーで東京・銀座のビルの爆破に関わっていた疑いのあった桐島聡容疑者(70)は自ら名乗り出て確保(殺人未遂などの容疑で書類送検、容疑者死亡で不起訴処分)され、2月には長野県で起きた殺人未遂事件に関わっていたとされる金成行(55)が逮捕されている。
次は誰が捕まるのか、捜査の手は伸びている――。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班