動画配信で技術の高さにびっくりされることも
日本初のシニアのeスポーツのプロチームとして、マスコミの取材を受けることも多かったマタギスナイパーズだが、さらにSNSで注目を浴びることに。
公式Xにゲームのクリップ動画を付けたところ、高齢者と思えないそのプレイぶりがバズって当初はフォロワー数3000人くらいだったのが、一気に2万8000人に増加した。(3月29日時点)
動画によっては、1万いいねがつくことも。コメントも「普通に上手い」「視点移動もきれい」「対戦してみたい」というスキルについての感想が並ぶ。
「自分が今までやってきたゲームとは違ったけど、指導してもらってそれをゲーム内でできると自分のレベルが上がったと実感できます。ゲームというと遊びのイメージがありましたが、こんな世界があったんだという新鮮な気持ちになりました」(mark25さん)
65歳のひろBooさんは、始めたころは3D酔いみたいになったが、3カ月くらいで慣れて今では特に問題なくやれている。「座っているから楽だろうと思われますが、頭を使うので、けっこう体力を使います。ゲーム前はストレッチなどしています」
日々練習は積んでいるが、まだまだ実力不足で、大会ではなかなか勝ち進めないのが現状だ。
今後もゲームをプレイする配信のほか、地元・秋田での高齢者向けイベントやゲームショウ、eスポーツイベントへの出演など、精力的に活動する予定だ。
「やはり技術の上達が課題ですね。スポーツですから“強くなって勝つ”、これが一番だと考えています。そこにファンがついてくると思っていますので、とにかく今は一生懸命練習しています」(土門さん)
eスポーツは競技なので結果はもちろん大切だが、それ以外に得たものは大きいとメンバーはいう。
64歳のNAGIさんは「私は59歳のときに東京から秋田が地元の主人とともに移住しました。秋田には知り合いがいなかったので、マタギスナイパーズの仲間との交流はとてもありがたかったです」
「オンラインでお互い姿は見えなくても、対戦ゲームなので声を掛け合ってやるため、いつも一緒にがんばっているという繋がりを感じています」(ひろBooさん)
「家にいたら、きっとゴロゴロしていたと思います。eスポーツと出会って、仲間もできて
上達のために目標をもって取り組むことができるものがあるのはすごくよかったです」(mark25さん)
終始、笑顔でインタビューに応じてくれたマタギスナイパーズのメンバーを見ていると、今後ますますeスポーツはシニア世代にも広がり、人生と暮らしを豊かに彩るものになるかもしれない予感がした。
取材・文/百田なつき