卒業証書は検察に引き渡すと思いきや…
実際は除籍されたとみられる東洋大を「卒業した」と主張し、卒業証書と称するものを見せて回った田久保氏。
百条委は7月18日の午後4時までにこれを提出するよう求めていたが、期限の約15分前に中島弘道市議会議長に渡されたのは「提出を拒否します」と書かれた「回答書」だった。
そこには拒否の理由として「私は現在、公職選挙法違反で刑事告発をされていることから、本件記録の提出請求は、私自身の刑事訴追につながる可能性のある事項に関するものと言えます」とした上で、提出拒否は憲法に保障された不利益な供述を強要されない権利に基づくもので、百条委での出頭や記録の提出を拒める「正当な理由」に当たる、と主張している。
ただ、この提出拒否は予想されていた。
「7月7日に市議会が田久保氏の辞職勧告決議案と百条委設置議案を可決しましたが、その夜に会見した田久保氏は辞職し出直し選に再出馬すると表明しながら、卒業証書は上申書とともに静岡地検に提出し真贋を調べてもらう、と主張していました。
百条委に渡るとすぐに公開されて真贋がわかってしまうので、捜査に時間がかかる検察に渡し、結論が出る前に選挙を終えてしまおう、という作戦とみられていました」(地元記者)
同じ7日の午前に伊東市内の建設会社社長が田久保氏を公選法違反の学歴詐称の疑いで警察に刑事告発しており、田久保氏側はこれを逆に利用する考えだったようだ。
実際7日の記者会見で田久保氏に同席した弁護士は「刑事告発されたという報告を受けております。そうすると本件は刑事事件ということになり、関連する重要な証拠物として在籍証明書などがあり、現在これは私が弁護士の職責として私の事務所内の金庫で保管をしております」と話している。
「このため田久保氏は18日も検察に引き渡すので卒業証書は百条委に提出できないと主張するだと思っていました。ところが田久保氏はこの前言も翻したのです」(地元記者)