二階氏VS世耕氏の巻き添えをくらったテイで全国区に?
「チップ口移し過激パーティー」が明るみになった3月8日、記者から「女性の体に触ってはいないという認識か」と問われ、「はい」と即答した藤原氏と、隣で大きくうなずいた中曽根氏。ともに、自民党の45歳以下の国会議員や地方議員、党員ら計20万人で構成される青年局の局長と局長代理という幹部だった。
「余興の内容をまったく知らされていなかった」(青年局が11日に出したコメント)とはいえ、こうした立場で懇親会に出席していながら、水着のような露出の多い衣装を着た女性たちのダンスや、口移しでのチップ渡しを止めなかった2人の評判はというと……。
まずは、「触っていたら議員辞めますか」という記者の質問に「当時の記憶の中では触っていないです。ただそれについて『今の記憶で』というのと、万が一のとき、議員辞職ということは非常に重い話ですので、記憶違いなどが万が一あったときに、すべてを無にする話ですので……」としどろもどろの回答をした藤原氏。
自民党が民主党から再び政権を取り戻した2012年初当選の「魔の4回生」で、初当選同期には、「未成年パパ活」疑惑の吉川赳氏や、裏金問題で逮捕された池田佳隆氏らがいる。
2012~2017年までの3回は小沢一郎氏に負けて比例復活だったが、2021年には小選挙区で初当選。小沢氏は18回目の当選にして初めて比例復活の屈辱を味わった。
「藤原氏についてめぼしい話題はそれくらい。弁護士資格をもち、安倍派に所属していましたが、とくにパッとする存在感があるわけでもなく、でも特段の悪い評判も聞かなかった、という議員です。
それでも昨年、安倍晋三元首相や岸田文雄首相も若いころに務め『若手の登竜門』とされる青年局長となりました。青年局が最近注目されたのは今年1月、裏金問題をめぐって全国の青年局メンバーから意見を聞き取り、首相に申し入れをしたとき。『政治の信頼回復のために、踏み込んだ改革を』などと求めていましたが、自ら信頼回復を遠のかせてしまいました」(全国紙政治部記者)
まことに不名誉なネタで、一気に全国的知名度を得てしまった藤原氏だが、永田町では「大物同士の争いの巻き添えになった」と同情にも似た声も上がる。
「過激衣装の女性ダンサーを招いた和歌山県の川畑哲哉県議は、世耕弘成前参院幹事長の元秘書。パーティーには近畿地方の県議など一部の関係者しかいなかったこともあり、『二階俊博元幹事長に近い人物が、世耕氏側の力をそごうとして写真をリークしたのでは』とささやかれています。世耕氏が二階氏の選挙区での衆院鞍替えを長年狙ってきたことは有名ですしね。
過激パフォーマンスを止めなかったことは問題ですが、無名の藤原氏が、自分の地元でもない和歌山で、大物同士の争いに巻き込まれてしまったのでは、と同情の声も上がっているんです」(自民党関係者)