電車内のトコジラミ目撃投稿が大バズリ…

Xにトコジラミ目撃ポストを行ったのは夫婦とみられるふたり。トコジラミらしい虫がシートの上にいる写真を10日の夜にふたり相次いで投稿すると、揃って大バズリ。2ポスト合わせて5000万件以上表示され、1800件以上ものコメントがついた(ともに11日時点)。そのコメントに返信するかたちで、11日朝までに乗った列車の路線と乗車駅と出発時刻、車両の位置も具体的に記し、虫をセロテープで封じ込んだ写真まで投稿した。

トコジラミ(提供/日本ペストコントロール協会)
トコジラミ(提供/日本ペストコントロール協会)
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Xでは「もう都内のどの路線に生息していてもおかしくない」「トコジラミパニック待ったなしか」「あっと言う間に全国に広がりそう。電車やバス座れない。タクシーも怖くて乗れない」といったコメントが上がった。

投稿主は駅員に知らせたとしているが、運営するJR東日本は11日午後の時点で「現在のところ、トコジラミが列車内にいたというお客さまのご意見や関係社員からの報告はなく、投稿内容の事実確認が取れておりません」と説明。同時に「このたびの投稿を踏まえ特に注意して車内清掃を行うように関係各所に申し伝えています」と、対応する意思があることも強調している。

同社は列車内の清掃について「お客さまの健康面を考慮し、薬品による殺虫ではなく、日々の車内清掃では座席表面の汚れ等は用具を用いて取り除き、月1回を目安に実施する重点的清掃で掃除機による吸引清掃を行っています。害虫が確認された場合は車内燻煙を行います」としている。

トコジラミに刺されると強烈なかゆみと発疹に襲われる(提供/日本ペストコントロール協会)
トコジラミに刺されると強烈なかゆみと発疹に襲われる(提供/日本ペストコントロール協会)

別の路線の関係者も「会社が違うからか対策はまだ下りてきていませんが、海外のお客さまの乗車率はこちらのほうが確実に多いので、他人事ではないですね」(東京メトロ勤務の20代駅員)と話す。

トコジラミは体長5ミリ程度のカメムシの一種。狭く暗い場所に好んで潜み、夜間に動き出して眠っている人間の血を吸い、刺されるとかゆみや発疹が生じる。
東京都ペストコントロール協会によると、「日本では昭和の時期に、駆除対策によってかなりの数が抑え込まれた。しかしその後、海外で従来の殺虫剤に耐性をもつようになったトコジラミが、国境を超えてくる人や荷物について日本に多く入ってきていると推定される」という。