“トラガール”とは呼ばないで
――これまでに事故の経験は?
大きな事故はないですけど、こすったことはありますし、割り込まれて強めにブレーキを踏んでしまったことで荷物が破損してしまったこともありました…。
――それは不可抗力ですよね。
いや私が悪いんです。割り込まれることも想定して車間距離を空けておかなきゃダメなんですよ。もちろん車にぶつかるような車間では走ってはいませんが、積んでいる荷物にダメージを与えてしまってはプロ失格です。
――女性ドライバーを増やそうと国土交通省が推進している『トラガール促進プロジェクト』が話題になっていますが、それについてはどう思われますか。
入り口はトラガールに憧れてでも、なんでもいいんです。でも「私のことをトラガールとは呼ばないで」と思っています。
――どうしてですか?
トラガールと呼ばれる女の子たちって、自撮りをSNSにいっぱいあげていますよね? 私には「トラックに乗っている『自分』が好きなんだな」と思えてしまって。
私は「トラック」が好きだから、トラックに乗っている。結果的にドライバーとして仕事をしているわけだから「どこが違うの?」って思うかもしれませんが、私にとっては大きな違い。譲れない一線なんです。
――自分のためにトラックがあるんじゃなくて、トラックに乗るために自分がいる?
私はそうです。どちらがいいとかどちらが正しいとか、そういうことじゃなくて私が彼女たちと違うというだけなんですけどね。