夢を諦めなくてもいい環境になった

“メジャーレーベルと契約してCDを販売すること”が音楽アーティストのスタートラインと思われていた時代・価値観は、ここ数十年のあいだに徐々に変化してきた。サブスクや配信代行サービスの台頭によって、そういった変化が一気にあらわになったといえる。

「家族との生活やプライベートを重視しながら音楽活動をしている人は多くいますし、アーティストの在り方は日に日に多様化しています。今なら配信代行サービスは誰しもが登録できますし、ちょっとしたキッカケで自身の曲が知られるチャンスがある。サブスクと配信代行サービスは、これまで見つけられなかった音楽アーティストを可視化したんだと思います」(松島氏)

特にインディーミュージシャンの裾野を広げ、長く活躍しやすい環境が構築されつつある。なにより、何気なく音楽を作った人にとっても新たに参加しやすい状況だともいえよう。

「昔であれば『結婚したから音楽活動をやめよう』という人も多々いたはずですが、いまなら自分の生活やペースを保ちながら活動しやすくなっています。サブスクによって誰でも自分の楽曲を配信できるようになったことを考えれば、『夢を諦めることなく、音楽を続けられる時代になった』といえるかもしれません」(松島氏)

インタビュー・文/草野虹