母校の新聞にも大々的にインタビューが掲載

作品に罪はないとはいえ、アニメーション業界に激震が走った今回の事件。逮捕された伊藤容疑者は岐阜県中津川市出身で、地元の公立高校を卒業後、国公立大学を経てメーカーの技術職として働いていた。

その後、大ヒット映画のプロデューサーを務めたことから、地元では一目置かれた存在だった。高校の同級生はこう肩を落とす。

「ええ、耕一郎くんですよね…。先日のニュースを見て『どうして⁉』という感じで本当にビックリしました。同じクラスになったことはありませんが、2016年に『君の名は。』が公開されたときは同級生の間でも『あれを耕一郎くんが作ったんだって!』と話題になりましたし、母校の新聞にも大々的にインタビューが掲載されて、まさに”母校の星”って感じでしたから…」

新海誠監督も「ショックです」とコメント(写真/共同通信社)
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たまにSNSで連絡を取り合っていたという同級生の女性も「まだ頭の整理がついていなくて…」と混乱ぎみに語る。

「耕一郎くんは大学進学を機に地元を離れてしまいましたが、プロデューサーとして活躍していると知って『すごいなぁ』と尊敬して応援していたんです。SNSでも定期的に連絡を取っていて、たまに『元気にしてる?』なんて送ると、『元気だよー』と返ってくるので頑張ってるんだなと思っていたのですが、まさかこんなことになってしまって、まだ頭の整理がついていなくて…」

そんな”母校の星”として周囲から尊敬されていた伊藤容疑者は、高校時代にはバスケ部に所属、クラスでも”秀才キャラ”として知られていたようだ。前述の女性はこう続ける。

「授業中に先生に『これわかるか?』と指さされても、『はい、○○です』と自信満々に答えていて、勉強はすごいできるイメージでした。バスケ部の練習も前向きに取り組んでいて、明るい子って感じ。ただ彼女がいたとは聞いたことがなかったです」

『君の名は。』の聖地巡礼で話題となった須賀神社の階段
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高校では文武両道にいそしむ模範的な生徒だった伊藤容疑者だが、決してモテるわけではなかった。別の同級生の女性はこう語った。

「正直なところ、彼の評判はあまりよくなかったです。人に気を遣って発言できないというか、空気が読めないところがあって…。周りのクラスメイトにも、悪気はないんでしょうけど『お前は本当にバカだな』みたいなことを平気で言ってしまう子でした。別にイジメられてたとかではないけど、クラスではちょっと浮いた存在でしたね」