あの頃のオタク全員並べて聞いてみればいいですよ、「あの頃すごかったよな?」って。いまでも月イチぐらいで秋葉原を歩いてると声かけていただくんですよ。「FKDさんですよね? 僕らアイドルから足洗ったんですけど、あの頃は僕らの青春なんです」って、僕と同年代かさらに上のオジサンたちに言っていただいて。
いまでもときどき「FKD」っていうのを話題にしていただいてるのを見るとホントに感謝しかないですし、アイドルのいい時代に生きさせてもらえたなと思いますね。
――あの時代をおもしろくしてくれた人のひとりであることは間違いないですね。
そう言っていただけるのは光栄ですし、やってよかったなという思いしかないですね。あの頃は殴り合うくらいの気持ちでやってました。
――嫌われてもいいから結果を出すしかないぞっていう。
そうですね、嫌われることに対して1ミリも躊躇がなかったです。周りの人間にどれだけ嫌われても、どんだけ天狗だと思われもいいと思って死ぬ気でやってましたし、失うものがホントなかったんですよ。それよりも、結果を出さないとこの世界で生きていけないっていう怖さですかね。すっごい過酷な時代でした。
『走れ!』『怪盗少女』の影響力
――いま思うと『走れ!』がアイドルの世界に与えた影響はすごいデカいですからね。『走れ!』がモチーフのアイドル曲がどれだけあるのかって話ですよ。
そうですね。あの曲はmichitomoさんがキレッキレだったので素晴しい曲でした。
――『走れ!』と『怪盗少女』がアイドル界に与えた影響はとんでもないし、あのシングルはタイトル曲で攻めまくってカップリングがストレートないい曲っていうバランスも含めて理想的だったって、百田夏菜子さんも言ってましたよ。
ホントにありがたいですね。あの曲をもう一回作れって言われたらできるのかなってよく考えるんですよ。それこそ「『怪盗少女』みたいな曲」、『走れ!』みたいな曲」って発注があって、自分のなかではそれよりもいい曲って何曲もあって。たとえば吉川友ちゃんの『こんな私でよかったら』(2011年12月28日発売)とか。
――あれも名曲ですね。
これは超えたと思ってリリースして、曲としては素晴しかったし、いまでも吉川友ちゃんの代表曲になってますけど、『怪盗少女』ほどのインパクトは与えられてない。