たぶん選挙には行かない
政府に対する思い思いの要望や不満を口にする若者が少なくない中、関心を持たない人もいる。都内の理系の大学に通っている男性は「政治には特に何も期待していません」とキッパリ。
政治をある意味“見限った”要因として、「国会答弁をニュース番組などで見ると、『その議論は私たちの生活を豊かにすることに直結するのかな?』『もっと話すべき議題があるのでは?』と疑問を覚えることは少なくなかったです。加えて、居眠りしている議員も珍しくなく、期待しようとは思えなくなりました」と説明。
ちなみに、来年には衆議院選挙が控えているが、「たぶん(選挙には)行かないと思います。各候補者や各政党もいろいろ政策やらマニフェストを掲げていますが、基本的には高齢者に向けたものが多いという印象です。もちろん、若者に向けた政策を打ち出している人もいるとは思いますが、『どういう政策を掲げているのかな?』と自分からチェックすることはおそらくしません」と話した。
また、短大に通っており4月からは保育士として働き始めるという女性も「保育士の給料を上げてほしいです」と政府に対する要求を口にしたものの、政治経済について聞くと「実はあまり関心がなくて」という。その理由として「難しい言葉が多すぎてついていけません。他にも、政治が変われば私たちの生活が変わるという実感もなく、議員の人たちが若者に向けて政治をやっているようにも思えないないからです」と回答した。
政治経済に興味関心のある人もいれば、そうではない人もいた。ただ、いろいろな若者に話しを聞くと、一貫して「政治の恩恵を感じられない」という認識を持っており、そのことが興味関心や期待感を失わせている要因であると感じた。“政治に無関心な若者”が叫ばれて久しいが、若者が“政治のおかげ”と感じる政治を実施できなければ、ますます若者は選挙から遠ざかるだろう。
取材・撮影・文/望月悠木