タクシーの配車やホテルの予約にも対応

なぜ、中国人はWeChatを使うのか。それは「生活に必要なことが、ほとんどすべてWeChatの中で完結できる」からである。

WeChatの軸となっているのは、バーコード決済「WeChatペイ」だ。多くの店舗やオンラインサービスが対応しており、日々の支払いをWeChatに一本化できる。

WeChatでは、タッチ決済やQRコードを使ったバスや地下鉄の乗車はもちろんのこと、タクシーやライドシェアも呼ぶことも可能だ。現在地が自動的に認識され、目的地を設定すると車を呼ぶことができ、ライドシェアの場合は、先に乗車料金が表示される。ユーザーは車が到着したら乗り、目的地に着いたら降りるだけ。料金は先に決まっていて、降りたら自動的にWeChatペイで決済される。

メガサイズのガラパゴスだった中国の本気IT革命…世界の最先端を行く中国の「スーパーアプリ」がインフラ化した理由_02
「WeChat」のライドシェア/タクシー予約画面。ライドシェアの場合は、乗る前に料金が確定している

また、中国版新幹線「高鉄」や飛行機のチケットもアプリ内で購入できる。日時・目的地などを設定すると、すべての便が表示され、空席情報もチェック可能。高鉄も飛行機もダイナミックプライシング(需要と供給を考慮し、商品やサービスの価格を変動させる手法)が進んでいるため、自分のスケジュールと料金を考慮しながらチケットを購入できる。もちろん、決済にはWeChatペイが使われる。

メガサイズのガラパゴスだった中国の本気IT革命…世界の最先端を行く中国の「スーパーアプリ」がインフラ化した理由_03
「WeChat」内での交通チケット予約。新幹線、列車、飛行機、長距離バスのチケットが購入できる。購入したチケットは、WeChatペイ内に電子チケットとして格納される

そのほかにもホテル予約、フードデリバリー、EC、病院の予約、光熱費の支払い、保険の加入、投資信託の購入、ゲームなど……生活に必要なことは、ほとんどWeChatの中で実現できるようになっている。なかにはTikTokのようなショート動画が楽しめる「WeChat Channels」まで用意されており、生活に必要なサービスから暇潰しまで、中国ではWeChatで間に合ってしまうのだ。

メガサイズのガラパゴスだった中国の本気IT革命…世界の最先端を行く中国の「スーパーアプリ」がインフラ化した理由_04
「WeChat」のサービス一覧画面。光熱費の支払いやホテル予約、病院予約のほか、ECや映画館のチケット購入まで用意されている