最初は見逃していたものの…
――かなり荒んでいたのですね。
当時僕は経営の傍らで、甲府の飲食店やナイトスポットを紹介するフリーペーパーを発行していて。掲載店は飲み屋さんや風俗系が多かったから、その打ち合わせや集金が終わるのは夜の12時頃。
帰ってからもイラレだのフォトショだので編集して…寝ないで仕事するような、かなり忙しい状況でした。
でもそのフリーペーパーに純士がモデルとして出てくれていて、その恩もあったから、まあ甘く見よう、という感じで放っておいたんです。
――なるほど。
その頃、日サロのビルの一角で、浴衣を着た女の子が膝枕で耳掻きをするお店も経営していて。その店長を任せていた子が「瓜田のファンだ」って言うから、二人を会わせてあげたら、その子と純士がくっついちゃって。
その子が急に仕事を辞めるって言い出したり、ぐちゃぐちゃな状況になってきて。「ちょっと厳しいな」と思っていた矢先に、ある出来事が起きた。
駅前の通り沿いに東横インがあるんですけど、ある日、僕がフリーペーパーの仕事を終えて帰っていたら、純士とその女の子が肩を組んで、東横インに入ろうとしているところに、ちょうど鉢合わせて。
そのすぐ近くに、純士を住まわせていた僕のマンションがあったから、その部屋ですればいいのに(笑)。
借りている部屋では気まずいのか、アウトローの嗅覚なのかわかりませんが、なぜか東横インに入ろうとしているから、声を掛けたんですよ。「純士、なにやってんだ」と。