女の子だって暴れたい!

――6歳で、フルコンタクト空手・新極真会の門を叩いたとうかがいました。

小学1年生のときにテニスや水泳などの体験に行ったんですけど、その中で一番私に合っていたというか、しっくりきたのが空手で。当時女の子が変身して戦うアニメ『プリキュア』にハマっていて、その影響も大きかったと思います。

――名キャッチコピー、“女の子だって暴れたい!”ですね?

私もプリキュアになりたいと本気で思っていました(笑)。

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――空手を始めて、最初にぶつかった壁は何だつたのでしょう?

小学5年のときの全国大会です。準決勝で当たった子が強くて。ボディに突きをもらい、その場で落ちちゃったんです。同じ学年でこんなに強い子がいるのかと驚いて。本気で誰かに勝ちたいと思ったのは、このときがはじめてだったような気がします。

――空手家に対して失礼な質問かもしれませんが、試合で負けたときは悔しくて泣いたりするものですか。

小学6年までは負けるたびにピーピー泣いていました。負けて泣いているときに、母親に言われたんです。「そうやって泣いているから、いつまでも強くなれないんじゃないの?」って。

――超スパルタですね。

ですよね(笑)。でも今振り返ると、父も母もそういう厳しい言葉で、ずっと私の背中を押してくれていたんです。だから頑張れたし、強くなれたなと。

――今年の10月に4年に一度の世界大会、『全世界空手道選手権大会』が開催されます。

空手を始めた頃からこの舞台で優勝することを目標にしてきたので、優勝できたら現役を引退してもいいというくらいの気持ちで挑みたいと思います。

――今度の大会は無差別級、自分より大きい選手とも戦うんですよね?

女子でも身長が180cmを超える選手や体重が90kgを超える選手が出場しているので、どうやって戦うかは、研究もしていますし、対策も立てています。

組み手でボディへの突きをくらう目代選手
組み手でボディへの突きをくらう目代選手

――格闘技では一般的に体の大きな選手の方が有利だと言われていますが。

空手も大きい方が有利というは同じだと思います。でも小さい選手が勝てないのかと言ったらそうでもなくて。ステップで相手の攻撃を交わしながら技が当たらないような展開に持ち込んで、瞬間のスピードで勝つということもあるので、いかにして自分有利な組み手に持っていけるかが勝負の分かれ目です。

見ている人にとってもその攻防の激しさが、フルコンタクト空手の面白さだと思います。

――対戦相手に合わせて、ご自身の体を大きくすることは考えない?

考えていないです。あくまで自分の適性体重で、どうやって相手に勝つかを考えています。