「三段を目指します」(梨紗)、「そんなのあたりまえ」(愛咲美)
――2023年を振り返ってみてどうですか?
愛咲美 (2連覇中だった)若鯉戦、獲られたの痛かった。しかも同門のライバル、広瀬くんに優勝されて……。
梨紗 1回戦で私、広瀬くんと当たったんですよ。トーナメント表を見て「イヤだなあ」と思った。
愛咲美 そう思う時点でもう負けてるよね(笑)。
梨紗 いやいや、そんなつもりないし。
愛咲美 そんなつもりなくても、気持ちが後手になっちゃってるから。
――ケンカしないでください(笑)。
愛咲美 あ、この程度の言い合いはしょっちゅうですよ(笑)。
今年の個人的ニュースでいうと、女流名人と女流立葵杯で、里菜先生に勝てたこと。三番勝負のシリーズで勝てたことがかなり大きいですね(※女流タイトル全制覇達成)。それに関くんと広瀬くんが獲っていた新人王にもなれました。(※囲碁界では女性初の快挙)
梨紗 私は女流本因坊の挑戦者になったことです。負けてしまいましたが、手応えは感じました。
愛咲美 あと、(上野愛咲美女流立葵杯・女流名人と梨紗二段がともに代表に選ばれていた中国・杭州の)アジア大会の囲碁女子団体で銅メダルを獲得したことがめっちゃニュースです。優勝した中国、準優勝の韓国を相手に手応えを感じました。
準決勝(対中国)で(もうひとりの代表の藤沢)里菜先生がAI評価値90%の展開から負けてしまったときは、里菜先生が放心状態になって…。
梨紗 でも3連敗は1回もなかったし、金メダル、いけたよね。
――来年の目標をお聞かせください。
梨紗 とりあえず三段に昇段することを目指します。
愛咲美 そんなのあたりまえのことなんですけど。
梨紗 じゃあ勝ち星ランキング1位! それと最多対局も狙ってるし、世界戦がんばりたいですね。
愛咲美 私はまず女流棋聖戦をがんばりたいです。そのためにはまず挑戦者決定戦で梨紗に勝たなくてはいけないんですけど。
――その姉妹で直接対決する女流棋聖戦挑戦者決定戦については後編でおうかがいします。
取材・文/内藤由起子
集英社オンライン編集部ニュース班