ふたりが東大に入るまでの高校時代は?

──おふたりの経歴について教えてください。

神田 私は中学のころ、ドイツの日本人学校に入ったのですが、環境になじめず、通信制高校に籍だけ置いていたんです。4年間自宅での勉強を続けて、一浪して東大文科I類に合格しました。もちろん入学当初は同じような境遇の人は誰ひとりいませんでしたね。入学後はUTFRの立ち上げに関わりました。
卒業後はマッキンゼー・アンド・カンパニーに1年勤務し、現在は独立して会社経営をしています。

清水 自分は群馬出身で、勉強以外のことにもチャレンジしてみたいと思い、普通の私立高校に入学しました。出身校は東大入学者がまったく出ないというレベルですが、自分は高校入試のときにまさかの首席だったこと、そして模試でも上位に入れていたこともあって、自分に自信を持って受験勉強をがんばることができて理科Ⅰ類に合格できました。

東大の駒場祭で出店するUTFRのメンバーたち
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──おふたりともまったく異なるバックグラウンドですね。UTFRでは非進学校の定義をどのように定めているのでしょうか?

清水 あくまで目安ですが、いわゆる1年に東大合格者が1人も出ない高校の出身者を中心に想定しています。自分たちが大事にしているのは「孤独性」であり、東大を目指すにあたって孤独を感じる環境だったかどうかを重視しているので、定義は場合によりけり、という感じでもあります。

また、現役だけでなく、進学校から浪人して入学した場合、高校の同級生が先輩になっていることも多くあります。その際に履修や部活、サークルなどの情報が得やすくなるので、すごくうらやましかったのを覚えています。なので、出身高校の関係で入学後に情報弱者になり得るかどうかも、定義の目安の1つになると思いますね。

──確かに、入学当初から大学生活を謳歌するための情報戦は始まっていますよね。

清水 そうですね。自分も入学当初は全然情報を得られず、履修の取り方とか過去問の入手方法 などががわかりませんでした。またサークル選びの情報も得られなかったこともあり、スタート ダッシュが出遅れた感じが強くありましたね。入学時に友達がいない、情報が入らないのは大学生活を送る上で死活問題です。

駒場祭で販売される、非進学校出身者による合格体験記
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