#1 陰キャ地味男子だった童貞はなぜカリスマホストになれたのか?

ホストの道は「エリート街道」から外れることだった

現役東大生でありながら歌舞伎町でホストとして活躍するえーすけさん。日本最高学府に通いながら、日本最高峰の夜の歓楽街、歌舞伎町で働いている。だが、ホストを始めたことでこれまでの人生にはなかった不安を覚えるようになった。

それは「ルートから外れた感覚」だという。

現役東大生ホストのえーすけさん
現役東大生ホストのえーすけさん
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「最近、まわりの友達が就職活動を始めるようになりました。これまで一緒に過ごしてきた友達が、リクルートスーツに身を包み、受験のころのようにゴリゴリに就活を行っています。外資系コンサルタントを目指している友達がフェルミ推定を勉強していたりするのを見ると、彼らと同じように就活をしていない自分に不安を感じてしまいます」

えーすけさんは高校時代は派手な遊びをすることもなく、ひたすら受験勉強に取り組み、東大理科一類に現役合格を果たしたいわゆる「エリート」だ。しかし、ホストという一般の東大生がまず選ばない仕事をバイトで始め、自身でも思っていなかったほどホスト業にのめり込むことができたこともあり、逆に自分が本来進むべき進路を外した感覚があったのだという。

高校時代は地味で陰キャだった
高校時代は地味で陰キャだった

「僕は高校時代、大学受験のために一生懸命勉強をしてきました。なので、その時期に真面目に勉強をしていない人や大学に行かなかった人に対して、『うわ…』と思っていたんです。だけど、ホストになって就活をしていない僕は、かつて自分が敬遠していた人たちと同じ側に来てしまったと思っています」

東大に進学すれば、大企業や官公庁などのいわゆるエリート街道に進むことが約束されたようなものだ。だが、そこから外れた人はいわば”異端者”的な存在だ。「ホストになったことで、人生で初めてエスカレーターから外れた」とえーすけさんは話す。

「実は、大学受験の時に東大に入れなかったら自殺しようと思うくらい、気持ち的に追い詰められていたんです。当時は就活についても同じように感じていて、大手企業への入社は門戸が狭いこともあって、希望する会社に入れなかったら人生終わりだと考えていたと思います。それが今でも不安として残っているのかもしれませんね」