#1
#2

貴さんも真剣に考える野球界の大きな問題

――先ほど(記事2回目)のお話にも出てきましたが、今年の夏の高校野球での慶應高校の優勝が新しい風を吹かせました。

僕は今回の慶應高校の優勝は素晴らしいなと思ったんです。慶應のキャプテンの大村(昊澄)くんが優勝のスピーチで「自分たちのプレーや試合とか、甲子園でのプレーを見て、少しでも野球っていいな、野球って楽しいなと思ってくれたら」と言ってました。

WBCで優勝したときにも監督の栗山(英樹)さんが「優勝したことも大事だけど、日本中に野球の面白さやすごさを感じてもらえて、選手たちに憧れて、たくさんの子どもたちが野球をやってくれると思う」と言っていて、みんなそこには危機感はやっぱり持っているんだなと。

とんねるず・石橋貴明さん
とんねるず・石橋貴明さん
すべての画像を見る

――貴さん自身も2020年にNHK「サンデースポーツ」に出られた時であったり、また「石橋貴明のGATE7」の中でも野球人口の減少、野球の危機についてたびたび警鐘を鳴らしていますね。

本当にもう何年も前から言ってるんだけれど、真剣に取り組まないと。

たとえばグローブを作る職人さん、バットを作る職員さんがもう日本にはいないんですよ。日本のプロの選手のためのグローブやバットはあるんだけど、小学校、中学校のグローブはほとんど日本国内じゃ作ってないんです。東南アジアの国々の人たちが作ったものを輸入している状態なので。

今は大谷くんがいるから野球人気がわっとなっているけれど、大谷くんの次のスターが現れるまで、このあと10年もかかってたら、もう野球は終わっちゃいますからね。だからプロもノンプロも、大学も高校も中学も小学校も全部1回集まってみんなで話し合わないと進まないよって。一つのところだけが盛り上がってもしょうがないんだもん。

本当に実力のある選手はMLBに行って大金を稼ぐかもしれないけれど、それ以外が空洞化したら本当にダメ。野球のエリートと、野球をやらない人との間がばっこり開いたら、そこからはあっという間ですからね。少子化の中で、あと10年後、20年後、高校野球と参加校の数はどのぐらいになっちゃっているのか。ごっそり減っちゃったときにはもう遅い。そのときにはもう手遅れ、ダメですよ。