メル・ギブソンの代表作『マッド・マックス』

シュワ&スタローンも真っ青? 世界一幸せな国フィンランドで不死身のヒーロー映画が爆誕!笑っちゃうほどの不死身ぶりを解説_4
Moviestore Collection/AFLO

次に、筆者が紹介したい不死身のヒーローは、メル・ギブソンを一躍スターに押し上げた『マッド・マックス』シリーズの主人公マックス・ロカタンスキーだ。同シリーズでは、2作目以降は核戦争後の荒廃した世界を背景に、マックスが生き残ったコミューンの人々や、原始的な生活を送る子供たちを救うべく凶暴な暴走族たちと戦う様子が描かれる。

マックスは卓越した運転テクニックと生き残る術に長けており、どんなに派手にクラッシュし、傷だらけになっても生き残る。もちろん常に満身創痍の状態なのだが、回復力も尋常ではなく、相棒の犬が心の支えとなってくれている点もアアタミと同じだ。

妻子を襲撃され、最後に残った家族ともいえる愛犬へのある想いが、傍観者の立場だったマックスに悪党どもを全滅させる決意をもたらす。身体は不死身だが、その心はウェットなのだ。

頭脳で戦う不死身の英国紳士ジェームズ・ボンド

シュワ&スタローンも真っ青? 世界一幸せな国フィンランドで不死身のヒーロー映画が爆誕!笑っちゃうほどの不死身ぶりを解説_5
PictureLux/アフロ

ジェームズ・ボンド役はこれまで何人もの俳優によって演じられてきたが、ショーン・コネリーとともに最多タイ7作品で演じたロジャー・ムーア版のボンドは、不死身シーンの宝庫。『007/ムーンレイカー』(1979)のプレ・タイトル・シークエンスを見てみよう。

チャーターした小型機の機長を含め、みなが敵だとわかったボンドは、パラシュートを背負った機長を機外へ放り出すものの、自身も空中に放り出される(パラシュートなしで!)。それでも慌てないのがボンドたるゆえんで、彼は時速200キロで降下しながら先に放り出した機長に追いつくと、空中での格闘の末にそのパラシュートを奪って見事に生還する。

この手に汗握るシーンは、007シリーズのファン一押しの不死身シーンだが、続くシーンでは涼しい顔で「飛行機からパラシュートなしで突き落とされちゃったよ」と上司Mの秘書ミス・マネーペニーに言うボンドは、同じ不死身キャラでも常に傷だらけのアアナミとはちょっと違う。あくまでも英国紳士なのだ。

ちなみにこのシーンにはVFXなどは一切使っておらず、スタントマンが実際にパラシュートなしで飛び出し、空中で機長役のスタントマンからパラシュートを奪うシーンを撮影している。撮影に参加したスタントマンもまた、ボンド並みの不死身のヒーローといえるかもしれない。