ジョン・ウー監督のハリウッド出世作

ニコラス・ケイジが落語家になったら、先代のネタを大切にする古典派に? 主演ふたりが入れ替わる『フェイス/オフ』と落語との意外な共通点_1
Album/アフロ
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昔の作品でも見たことがなければ新作映画!

一周まわって新しく映った作品の数々をピックアップする「桂枝之進のクラシック映画噺」、今回は『フェイス/オフ』(1997)をご紹介。

連邦捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)は、長年追っていた国際テロリストのキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)をついに捕まえる。
ところがキャスターは細菌兵器を仕掛け、すでにカウントダウンを開始していることが判明する。

そこでアーチャーは、昏睡状態に陥っているキャスターの顔を自分に移植し、刑務所に収監されているキャスターの兄から細菌兵器の場所を聞き出すという驚きの計画を実行。
しかし、キャスターが昏睡状態から目覚めてしまい、アーチャーの顔を移植した姿で現れる……。

『フェイス/オフ』は、 以前本連載でも取り上げた『男たちの挽歌』(1986)でもおなじみ、香港の映画監督ジョン・ウーがアメリカに本格進出するキッカケとなった作品だ。

二丁拳銃の銃撃戦、スローモーション、鳩の羽ばたきなど、ジョン・ウー独特の作風が随所に見られる。一方で、アメリカ的スケールを意識した冒頭の滑走路チェイスシーンや、少々無理のあるSF設定には、異国で挑戦する苦悩も見え隠れした。

しかしながら、大規模な予算が投入された“外せない”作品で、ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジという大物映画スターふたりの顔と役を交換するのだから、その姿勢はあまりにもチャレンジングで強心臓と言えるだろう。