先輩の「すぐ辞めるでしょ」の言葉に奮起
――村上さんは2018年にグラビアを引退していますが、介護の仕事を始めたのはまだ現役グラドルだった2015年だそうですね。介護の仕事に興味を持ったきっかけは?
村上友梨(以下、同) 14歳でグラビアデビューして、19歳のときに認知症を患っていた祖母がデイケアサービスを利用中に転倒し、それがきっかけで数ヶ月後に亡くなってしまったんです。
私はおばあちゃん子だったので、すごくショックで。そのときにどんな介護がベストだったんだろうか、とか介護の重要性について考えるようになりました。
――身近な人の事故がきっかけだったんですね。
それと週刊誌の取材で「ハマってるものは?」とか「何に興味があるか?」と聞かれてもコレって答えられない自分が嫌だったのもあります。それで、おばあちゃんの死からずっと頭の中にあった介護の仕事に実際に関わってみたいと思い始めました。
それに、いつまでもグラビアだけでは生きていけないという焦りもあって……だったら「実際に介護の仕事をしてみよう」と。
――最初は、副職で介護を始めたのでしょうか?
はい。まずは自分に合うかどうかボランティア感覚で、認知症対応型共同生活介護のグループホームでアルバイトを始めました。
でも(現場の)先輩からは「どうせすぐ辞めるでしょ」と言われ、雑用みたいなお仕事しかさせてもらえず、それが悔しかったんですよね。
介護の仕事をきちんとするには資格が必要だと思い、初任者研修と実務者研修を受けました。
――グラビアの仕事をしながらは大変ですね。
初任者や実務者研修は講習を受ければ取得できるものですが、この資格を取ると食事介助ができるようになるんです。
そのころから「この子、本気なのかな」と思ってもらえるようになったみたいで、もっと信用してもらいたい、この仕事にもっと深く関わりたいという気持ちにどんどんなっていって、3年の実務経験後に受けられる介護福祉士の国家試験を受けました。