スキャンダル贖罪のための“みそぎ介護”に思うこと
――“低賃金&キツい”というイメージでは、人材不足も解消されません。村上さんはどのように介護のイメージを変えていきたいですか?
介護職はとても尊い仕事だというイメージに変えていきたいですね。
要支援者やそのご家族のご負担を減らして、みんなの心を穏やかにできる大事な仕事なんだと。
――また、芸能界と介護のつながりでいうと、不祥事を起こしたタレントが贖罪のために介護に携わるような風潮もありますよね。
どうしても“みそぎ感”がありますよね。
もちろん、介護の現場に有名人がいらっしゃれば、「テレビに出てる人だ」とスタッフも入居者も明るくなることはあります。
でも、苦行だと思われている介護の仕事をすることで、イメージ改善に努めるみたいな贖罪として関わられるのは、少し悲しいですね。
介護に携わるなら、もっと前向きな気持ちで来ていただきたいです。
――今後の目標はありますか?
今年の9月で介護の実務を丸8年間やったことになるので、そのあたりでいったん区切りをつけて、それ以降は介護に関わる営業職や派遣などの裏方の業務にも携わってみたいと思ってます。その後は……とても大きい夢になるんですけど、いずれは自分が目指す介護施設を作りたいです
――どのような施設でしょうか?
利用者さんは保育園の子供たちが遊びに来たり、動物に触れ合ったりすると、とても笑顔になるんです。だから保護犬や保護猫といった動物保護施設と保育園、それらの施設と連携する総合介護施設を将来つくれたらと思ってます。
壮大すぎる夢ですけどね(笑)。
――最後に、介護職のやりがいは?
なかなか心を開いてくれなかった利用者さんに「あなたでなくてはだめなの」と言ってもらえて信頼関係が築けた瞬間でしょうか。
だから私は、生涯、介護に関わっていきたいと思います。
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/池上夢貢