忘れられない2005年、2008年の“あの試合”

どんなシーズンでも、終わってから振り返った時に、チームの流れがよくなった試合、悪くなったという試合は必ず出てきます。

僕の現役時代でのよくなった例をあげると、2005年、阪神タイガースのリーグ優勝を決定づけたと言える、9月7日の2位・中日との直接対決です。中日に2ゲーム差まで迫られた阪神にとっては絶対に負けられない一戦でした。

ここでは度重なる審判の微妙な判定に岡田彰布監督が激高し、試合が中断したりもしました。また、サヨナラ負けのピンチを迎えた時には、珍しく監督みずからがマウンドの守護神・久保田智之さんのところまでやってくるなど、チームの勝利への執念を感じました。

2005年9月7日の中日ー阪神戦。9回裏に中日・アレックスの生還をめぐり抗議する阪神・岡田監督
2005年9月7日の中日ー阪神戦。9回裏に中日・アレックスの生還をめぐり抗議する阪神・岡田監督

結果は、中村豊さんの決勝ホームランで劇的な勝利をおさめ、ここから一気に優勝に向け突っ走ることができたのですが、もしあの試合に負けていたら……と今でも思います。

一方、流れが悪くなった例をあげるなら、2008年9月19日から21日の首位・阪神、2位・巨人の直接対決3連戦です。8月に北京五輪のため主力選手(矢野燿大さん、藤川球児さん、新井貴浩さん)がチームを離れ、その後新井さんが、ケガで離脱した影響も大きかったのですが、シーズン途中に2位に最大13ゲーム差をつけ、首位を独走していたにもかかわらず、優勝を逃した最大の要因は、この3連戦で3連敗を喫したことだと思います。

今年も8月以降、シーズンの流れを決定づけるような試合が間違いなくあるでしょう。当然負けることはあるのですが、1つの負けが大きなダメージにならないような形にしておかなければなりません。

3ゲーム差で首位攻防3連戦を迎えるのと、5ゲーム差で迎えるのでは、メンタル面でも作戦的にも違います。また、同じ1試合でも、そのひとつのプレーで順位が決まってくるような試合では、なかなか思うようなプレーができなくなります。順位を気にせず戦える時期に勝てるだけ勝って、どれだけ貯金を増やすことができるかが重要なのです。