エニックスはゲーム会社ではない?

ドラクエとFFのヒットの理由と、その根っことなる作風の違いを理解するには、それぞれの発売元であったエニックスとスクウェアという2社の会社風土の違いを説明する必要があるかもしれません。

この2社は2003年に電撃的な合併を果たし、現在はスクウェア・エニックスというひとつの会社になっています。

まずは僕の古巣でもあり、ドラクエシリーズの発売元であるエニックスから紹介しましょう。

実はエニックスは、世間でのイメージと異なり、そもそもゲーム会社ではありません。創業者の福島康博さんが、元は公営住宅の情報誌を発行する事業のために作った「株式会社営団社募集サービスセンター」が母体になっています。

ファミコン時代、日本のゲーム業界の黎明期にはそもそもゲーム専門のメーカーというもの自体がごく少数しかなかったため、輸入商社、不動産会社、電機メーカーなど他業種から参入してきた企業が多く、そういう意味ではエニックスも特別珍しいケースとはいえないでしょう。

しかし、エニックスの特異なところは、僕が入社した2002年の時点でも「うちはゲーム会社じゃないから勘違いしないように」と言い続けていたことです。

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