「弟と妹は連れられていきましたが、あいつは置いていかれました」
伊藤容疑者は複雑な家庭環境で育ったようだ。親友が続ける。
「ハルキの家は中学のころから母子家庭でした。宇都宮の方から引っ越してきた時にはもう母親だけで、妹と弟のほかに一時期不良っぽい感じの義理の父親という人もいました。
ハルキは中学時代から『家にいたくない』『親といたくない』という理由で週に2〜3回は家を飛び出しては近くの公園に寝泊まりしてました。それで警察沙汰になり、余計に母親から冷たくされていたんです」
お調子者だが暴力的ではなく、友達同士でケンカになるとビビって謝る。また、プチ家出を繰り返して騒ぎになることもあった。高校に進学後もこうした状況は変わらなかったという。
「あいつは17歳で高校を中退したんですけど、ちょうどそのくらいの時期に母親が山形に引っ越すことになったんです。弟と妹は連れられていきましたが、あいつは置いていかれました。母親は再婚していたので、その関係かもしれませんが、詳しい理由はわかりません。あいつはそれから一度、山形に行って、『母親に冷たくされた』と帰ってきたことがありました。親から愛されてない感じはしましたね」
高校を中退し、ひとり取り残された伊藤容疑者は夜の街に生計を立てる術を見出した。
「ハルキは最初、鶴見駅の立ち飲み屋でバイトしていました。『建築関係の職場に修行しにいく』と宇都宮に出て行ったこともあったんですが、『仕事がきついから辞めた』とあっという間に戻ってきて、蒲田でボーイをしたり、横浜のキャバクラでもボーイをしていました。最近は内装業みたいなこともしていたと聞いたこともあります。
中学時代はフラれた女に暴力を振るうようなやつではなかったので、今回の事件は驚きましたが、紗菜ちゃんのこと、好きは好きだったんだと思います。でもニュースを聞いたときはショックというより、あんなことして許せねえって思いました」
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班