中学時代はサッカー部でキーパー

調べによると、伊藤容疑者は同日朝、合鍵を使って冨永さん宅に侵入したものの、家族に見つかって合鍵を取り上げられて追い出された。その後、伊藤容疑者はマンションの2階階段付近にいるところを複数の住人に見られており、紗菜さんが出てくるところを待ち伏せして持っていた包丁で上半身をメッタ刺しにしたと見られる。

2人を巡っては交際時のけんかなどで鶴見署が一昨年から計4回出動。直近は今月22日で、この際に紗菜さんが伊藤容疑者の車内に置き忘れたバッグから鍵がなくなっていることが翌日に判明。同署が家族に鍵の交換をすすめていたという。

偏執的な犯行に及んだ伊藤容疑者とは、どんな人物なのか。横浜市内の中学校で同級生だった男性は、こう当時を振り返った。

「龍稀は中学2年の初めくらいに転校してきました。栃木県の方から引っ越してきたはずです。部活動は複数掛け持ちしていたような気がするけど、サッカーに本腰を入れていました。運動神経はかなりよくてサッカーも上手で、ポジションはキーパーだったと思います。
外交的で誰とでも仲よくなるタイプで、少年院に入っちゃうような子とも仲がよかったんですよ。本人は全く悪いことはしてなくて、いいヤツすぎるぐらいだったんですけどね。だから校内では結構な人気者でした。マジックに凝ってるときもあって、何かの集まりで校長先生たちにマジックを披露して大盛り上がりしたこともありました」

中学時代の伊藤容疑者(知人提供)
中学時代の伊藤容疑者(知人提供)

しかし、数年後に偶然再会したかつての「人気者」は、見る影もないほど「ヤンチャ」になっていた。

「進学先が違ったので、その後に龍稀が何をしてるか全然知らなかったんですけど、高校を卒業したくらいの時期に横浜でたまたま見かけたんですよ。黒服の格好して夜のお店のキャッチをしてました。髪型も横を刈り上げて前髪は上げて、ヒゲも生やしてて、中学時代と見た目が全然違うから、『あー、グレちゃったんだ』って思いました。そこにきて今回の事件、犯人がまさか龍稀だとは思わなかったんで、正直鳥肌が立ちました。どこでそんなに人が変わっちゃったんですかね」