このブラックな労働環境を楽しんでやる
でもそんな終わっている暮らしを世の中の誰かが見てくれて、何かを感じてくれる。
それは必ずしも喜びというポジティブな感情ではないかもしれませんが、自分の作った動画で感情を動かしてくれるのはとても嬉しかったです。
その経験から、だんだんと自分の感覚に変化が現れました。
自分の社畜な暮らしが周囲から認められたような気持ちになり、自分の生き方を肯定的に捉えられるようになりました。
それに価値観も広がり、いい暮らしをすることや、広告代理店に行くことがすべてじゃない。今の暮らしでも十分に楽しみながら生きることはできる。そう思えるようになりました。
上を目指してもキリがありません。自分で自分を認めてあげる心がなければいつまでも苦しいままです。
YouTubeを通して、自分の今の暮らしを認められるようになりました。そして、自分の今の生き方がもっと好きになり、むしろこのブラックな労働環境を楽しんでやろうと思えるようになりました。
YouTubeの最初の頃は、深夜に代理店から電話で叩き起こされた腹いせに動画撮影しながら働いたり、上司の理不尽な言動などを記録したりしていました。何かの記録用として残していたというのもありますが、こうやって多くの人に見てもらえるようになってからは、広告業界のブラックな労働環境が楽しいです。
そう思えてからは、プレゼンで1カ月休みなく働いても前向きに取り組めるようになり、山奥でのロケ撮影で深夜3時起きするのも遠足のような感覚になってきました。この数年での大きな変化です。
これからも仕事で理不尽なことは大量に発生するかもしれませんが、どんな困難も楽しみながら生きていこうと思います。
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