睡眠力を上げる10か条
Q 何をすれば、毎晩ぐっすり眠れますか?
今はまだ薬を飲むほどではないが、昼間にあくびが出る。あるいは、眠気のせいで仕事や家事の能率が悪くなったと感じている人にもこの10か条はおススメです。
薬に頼らずに質の高い睡眠を得るためにぼくが意識している生活習慣を10のポイントで説明します。これで薬がいらなくなりました。
①「脳腸相関」を利用する
脳と腸はつながっています。腸内環境をよくすることが脳によい刺激を与え、認知機能を高めたり感情を整えたりするだけでなく、よい睡眠への準備にもなります。チーズ、納豆、麹(甘酒)など多種多様の発酵食品をとりましょう。善玉菌を増やすために必要な食物繊維の多い食品として一日350グラムの野菜、海藻やキノコなども併せて食べましょう。
②「筋腸相関」を利用する
京都府立大学の青井 渉准教授の研究により、筋肉を動かすと腸内環境がよくなり、腸内環境がよくなれば運動のパフォーマンスが高まり〝若返り〟ホルモンと呼ばれるマイオカインが多く出ることがわかっています。この本で紹介している運動を毎日の習慣にしてください。
③「筋脳相関」を利用する
運動によって分泌された幸せホルモンのセロトニンが、夜になると睡眠を促すメラトニンに変わります。ぼくのつくった言葉ですが、脳と筋肉には、脳が動けと命令して筋肉が動き、筋肉が動くとホルモンが出て脳に刺激を与える「筋脳相関」があります。筋活が脳のストレスをとり睡眠力を高めることにつながります。
④おいしいものを食べるとよい睡眠につながる
幸せホルモンであるセロトニンの多くは腸でつくられます。材料は魚や肉、チーズ、バナナなどの「おいしい」もの。腸内細菌が働いてトリプトファンから、やがてセロトニンになります。セロトニンはメラトニンという物質に変化し、これが睡眠を誘導してくれます。
よい眠りが訪れると腸内環境が改善され、脳のストレスが軽減されて、さらによい睡眠になるというよいサイクルが回りだします。これが鎌田理論「おいしいものを食べた人の勝ち」なのです。脳と腸と睡眠と筋肉は見事につながっています。
⑤朝の太陽の光を浴びる
人の体内時計(24・5時間周期)と地球の自転(24時間周期)のズレを、朝の太陽の光がリセットしてくれます。