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妻がどうしても許せなかったこととは
専業主婦として、娘、息子を育てながら生活してきた妻。夫とはある日を境に口を聞いていなかった。
必要最低限以外夫には話しかけず、5年以上が経過してしまう―。
夫のことは好きだったはずなのに、嫌いなことがどんどん増えてきて、失望して期待して。そしてまた失望させられて。
一体なぜ妻は夫との会話をやめたのか。物語の核心に迫る悲しいエピソードお届けする。
配偶者を持つ人ならば、誰もがドキリとしてしまうのではないだろうか。
担当編集の今野加寿子氏はインタビューでこう語る。
――そもそも好きだから結婚したはずなのに〝家庭〟となると「好き」だけじゃやっていけないということでしょうか。
特に子どもができると雑務が一気に増えますし、いわゆる名も無き家事が激増する。で、どうしても女性のほうが細かいことに気づく特性があるので、「やって」という前に自分がやってしまう。
――そして「やってくれない」という不満が発生する。
そうなんです。やってほしいことを夫に言っていたとしても、たとえば「靴下は裏返しのまま洗濯機に入れないで」というようなことも50回くらい言っているうちに諦めてしまう。
『妻口(つまくち)』は、その妻の諦めの過程も非常にていねいに描かれています。すごく深い。深いことをシンプルな画や空白で伝えきってる。野原さんの天性のセンスだと思いますね。
――『妻が口をきいてくれません』『今朝もあの子の夢を見た』はもちろん、『離婚してもいいですか?』『ママ友がこわい - 子どもが同学年という小さな絶望』など、主に既婚者が主人公のマンガを発表されてきた野原広子さんですが、独身女性が主人公の連載がスタートするそうですね。
『さいごの恋』の主人公・清美は、46歳の高校教師。恋人もおらず、仕事中心の生活を送っているという設定です。
46歳にしたのは、更年期や、親の介護といった問題がはじまるのが、このくらいの年齢からで、さらには自身の老後も考える時期ということですね。
――その年齢で、さいごの恋が……訪れることになるのですね?
それはどうぞお楽しみにお読みください(笑)。