【漫画あり】「妻の飯がマズくて離婚したい」…Twitterトレンド1位になった衝撃の漫画は、ママコミュニティへの書き込みがきっかけだった!_1
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マンガ公開後に届いた意外な声

――まず、このマンガが連載されたWEBサイト、「ママスタセレクト」について教えていただけますか?

当サイトは「いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を」をコンセプトに、さまざまなコンテンツを発信しています。その中に、読者が悩みなどを語り合うコミュニティがあって、みなさんのリアルな声が集まってくるんです。

そのやりとりの中から、作家さんが「これをマンガにしたい」というものをピックアップしてマンガにしているというのが、おおまかな流れですね。

――では、『妻の飯がマズくて離婚したい』も実話ベース?

もちろんです。ママたちから届いた声には、できるだけ脚色を入れない方針で運営しているので、この作品の脚本を書いた渡辺多絵さんもコミュニティの書き込みを尊重してくれています。

――ミナミは、パートをしながら3人の子どもを育てているママで、将来のために節約も頑張っている。ただ、基本的に「食事なんておなかに入ってしまえば全部同じ」だと思っている上に料理が苦手なので、毎日同じような…マズい料理をだしているというところから物語は始まります。

ところが夫はおいしいものを食べるのが大好きで「食事は楽しみ」という考え方。完全にすれ違っているんですよね。で、あるとき「離婚」というワードが口から出てしまう…。

――日本中のママから「頑張って作ってるのに、ふざけるな!」という声が殺到しそうです(笑)

もちろん、そういう声もありましたが、意外にも男性サイドからの「夫の気持ちはよくわかる」という声が多かったんです。そして「飯がマズくても自分だったら言えない。言ったら離婚される」とか、独身男性からは「こんなことが起きるのなら、結婚するのが怖い」という声も。

うちのサイトを運営しているメンバーは、私も含めママが多いので「3人の子ども育てて、やりくりを頑張ってて、エラい!」とミナミに共感しながら読んでいたんです。ところがいざ公開してみると、ミナミへのバッシングが激しくて驚きました。

――女性からも?

そうですね。食育の観点から見ると問題がある、と。そう言われてみると、ミナミは毎日料理をして、子どもたちにはお弁当も持たせているけれど、「おいしく食べてもらおう」「楽しく食べてもらおう」という気持ちが欠けているんですね。なにしろ「おなかに入れば全部同じ」なので。でもそれでは、食事を通して心を育むことはできない、という意見がけっこうあったんです。

Twitterのトレンド入りしたことで、男性や未婚の読者が増えたのですが、性別、年齢、置かれた境遇によって、ミナミへの意見がまったく違うのが印象的でした。

――さまざまな声が届くということは、それだけ読者にとって他人事ではなかったということですよね。

誰もが毎日食事をしますからね。ただ、感想を発信してくれる人は〝毎日の食事〟に重きを置いている人が多いように感じました。

さらにいうと、〝毎日の食事〟が当たり前にある、恵まれた側からのご意見が多かったように思います。もしかすると、食事に重きを置いていない人、重きをおくことができない人は、声をあげる熱量がないだけで、見えない意見が眠っているのかもしれませんが…。

――読み進めると、ミナミさんが食に興味を持てない根っこには、彼女の母親がそうだったということがあるとわかってきますが、これについてはどんな意見が届きましたか?

一番多かったのは、「ミナミのお母さんに謝って欲しい、罰を与えて欲しい」というものです。この作品に限らず、読者は勧善懲悪を望む傾向がありますね。

実際の生活ではなかなかそうはいかないので、マンガの中だけでも悪者が痛い目にあうのを見てスッキリしたいのかもしれません。