記者も挑戦してみたが…
春名さんは常に蒸気の様子を見たり、焼き音に耳を傾けたりしながら、手際よくお好み焼きを鉄板上でくるくると動かしていた。ここまで仔細に温度管理をする必要があるのかと、改めて感心した。
ちなみに、筆者も広島お好み焼き作りに挑戦したが、生地を鉄板にひく段階で、早くも悪戦苦闘。生地が分厚くなり過ぎたり、逆に破けたり。この時に春名さんに指摘されたのは、スナップ(手首)を使いすぎているということ。生地を丸く広げる際には、手首を使わず、肘を固定して腕で回すことで、余計な力が入らずにムラがなくなるという。
また、お好み焼きをひっくり返す時に具材が飛び出たため、それを無理やり生地の下に押し込んでしまった。すると偏りができて、片側のキャベツは火が通り過ぎて、もう一方はほとんど焼けていない状態に。ドーム型になるように成型すれば、真ん中に空気の通り道ができて、きれいに蒸気が上がっていくとアドバイスを受けた。
その後もしっちゃかめっちゃかで、春名さんをソワソワさせたが、適宜サポートしてもらいながら、何とか完成にこぎつけた。もっと鍛錬しようと痛感したのは言うまでもない。
なお、一般の人たちは鉄板でお好み焼きを焼く機会は少なく、自宅にあるホットプレートなどで調理することが多いだろう。その際のコツを春名さんに尋ねたところ、やはり温度管理が大切で、限られたホットプレートのスペースを有効に使うことがポイントだという。
読者の皆さんもぜひ試してみてはいかがだろうか。
取材・文・写真/伏見学
G7広島サミットでも存在感。オタフクソース社の名物部署「お好み焼課」に課せられたミッションとは? 「世界中でお好み焼きが必要とされるために」はこちら