教え子たちは恩師の逮捕に衝撃

教え子たちにとっても、事件の報せは衝撃だったようだ。

「特別支援学級には何人か担任がいて尾本先生はそのうちの1人です。自分らは普通学級なのであまり詳しくはありませんが、怒っているところを見たことがないし、いつも元気な感じの先生ですよ。しごきとかそういうのではなく特別学級は毎朝マラソンをやっていて、それも尾本先生がやってた感じです。優しげな印象しかない先生でした」(卒業生)

「いや、ほんと元気な先生ってイメージしかないです。特別学級の担任なので、普段は何を教えてるとか全然わからないのですが、誰かを怒ってるとこを見たことないですし、優しいとしかいいようがないです。最近も普通でしたよ。足はたしかに速かったですね」(在校生)

尾本容疑者が勤めていた中学(撮影/集英社オンライン)
尾本容疑者が勤めていた中学(撮影/集英社オンライン)

一方、尊い命を奪われた山岸さんも、働きながら母親の介護をこなす温厚な紳士として知られていた。
近隣に住む女性はこう語った。

「テレビの報道で犯人を知って、本当に驚きました。しかも窃盗目的だし、もしかしたらウチも狙われてたかもと思うと本当に怖いです。山岸さんは至って温厚で物静かな方で、道ですれ違うと笑顔で挨拶もしてくれるし、『今週のゴミ当番は〇〇さんですよ』とか、『今日は天気がいいですね』なんて軽く世間話もしていたので、あの人が誰かに恨みを買うことなんて絶対にないと思います。お母さまの車椅子を押して買い物に行かれる姿も見かけましたし、男性一人で介護をしていてすごいなあといつも感心してたんですよ」

近くのアパートに住む50代の男性はこう証言した。

山岸さんの自宅(撮影/集英社オンライン)
山岸さんの自宅(撮影/集英社オンライン)
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「山岸さんは穏やかで温厚で、本当に静かに暮らしていて、誰かに恨まれるような人じゃないんです。お母様の認知症が進んでしまっているのと、腰がかなり曲がってしまっているから普段は車椅子を押してよく2人で歩いてたり、お母様の調子が良さそうな時は様子をうかがいながら歩いたりと、かなり丁寧に面倒を見てました。長く住んでますけど、遊び歩いてるようなところも今まで見たことがなくて、真面目な方ですよ」

勤務先の目と鼻の先という理由だけで、尾本容疑者の標的になったとすればやりきれない。あまりにも短絡的に見える犯行の背景には何があるのか。捜査の進展が待たれる。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班