WBCでも盛り上がった野球賭博

スポーツには勝ち負けがある。勝ち負けがあれば、そこにはつきものがある。

「WBCはもうすごかった。すごく盛り上がった」

そう話すのは、ある暴力団組織の幹部だ。盛り上がったのは応援ではない。野球賭博だ。

「賭博というのは胴元が儲かるようになっているから俺はやらなかったけど、みんなバンバン賭けていた。それでも『大谷がいるから』といったミーハーな理由で日本に賭けるヤツはいない」

彼らも日本人。心情的には日本を応援したいところだろうし、そもそも日本は強豪だ。それでも日本に賭けなかった理由がある。

「強いチームAと弱いチームBが試合をすれば、当然Aに賭ける人が集中して勝負が成立しない。だから野球賭博は試合ごとに“ハンデ”がつけられる。このハンデとゲームの点差から配当が決まる」(同幹部)

日本のWBC優勝にヤクザが大盛り上がりしたたったひとつの理由。「大谷がいるからといったミーハーな理由で日本に賭けるヤツはいない」「アメリカにはハンデが0.5ついた」_2
ヤクザたちを(賭博で)大いに盛り上がらせてしまった侍ジャパン

たとえば、Bにハンデが「2」つけば、下馬評が高いAが1点差で勝利しても、Bに賭けていた人の勝ちとなる。力の差が大きい高校野球と違い、プロ野球では2点以内のハンデがつけられることが多いが、史上最強と言われた侍ジャパンにはハンデが「4.5」もつけられた試合も。
さらに、メキシコにサヨナラ勝ちした影響か、決勝ではなんとあの最強アメリカに「0.5」のハンデがついたそうだ。

「それでアメリカ有利とみて損したやつがたくさんいた」(同幹部)