スポーツバーには店内からあふれ出るほどのファン
侍ジャパン初の日系メジャーリーガー、ラーズ・ヌートバーが東京ラウンドを盛り上げ、舞台をアメリカ・マイアミに移して行われた準決勝メキシコ戦では、不振にあえぐ村上宗隆が劇的な逆転サヨナラ打。そして、22日の決勝アメリカ戦では、二刀流・大谷翔平がストッパーとして最終回のマウンドへ。“キャプテン・アメリカ”、マイク・トラウトから三振を奪い、14年ぶりの歓喜の瞬間が訪れた。
ドラマや漫画だったとしても出来すぎな筋書きで締めくくられた第5回WBC。しかし、祝日だった準決勝と違って、決勝のプレイボールは平日の朝8時すぎ。仕事が重なって観戦ができない人の嘆きがSNSにあふれていた。
では、サッカーW杯の祝勝やハロウィンなどで注目される“バカ騒ぎの聖地”、東京・渋谷はこの日どうだったのか。集英社オンライン取材班が潜入した。
まずは街なか。試合中は静かで、W杯と違って規制する警察の姿は見当たらない。また、今回のWBCはカタールW杯の時のAbemaTVのようにネットで無料公開していなかったせいか、街でスマホ観戦する人も多くはなく、時間帯もあってか座り込んでゆっくり見てる人もほとんど見かけなかった。
しかし、センター街のスポーツバー「HERO」を覗いてみると、客席は満席。立ち見客どころか店の出入り口まで人が溢れるほどの大盛況だ。
「普段、この時間は営業していませんが、今日はWBCの決勝ということで特別に朝6時から開けています。お客さんの数? 100人は超えていると思います」(「HERO」スタッフ)
試合はホームランの打ち合いで3対2に。日本が1点リードして迎えた9回表、大谷翔平がマウンドに上がる。先頭打者に四球で出塁を許すも次打者のベッツを見事、セカンドゴロ併殺打に切って取る。スポーツバーでも大歓声が巻き起こり、どこからともなく“あと1人”コールが。
コールは“あと1球”に変わり、そして、大谷の140キロのスライダーをトラウトが空振りした瞬間、店内はこの日一番の熱気となった。
大谷、村上、さらに、この日の先発投手、今永昇太の名前がコールされるなど、興奮のるつぼ状態は5分以上続いていた。
このスポーツバーで試合を見届けたファンたちに話を聞いた。