バブル後は最悪、相場が10分の1に
2023年の後半から24年11月の大統領選挙に向けての時期、米国株式市場は世界中を巻き込んでの史上最大のバブルをつくり上げることになります。これから強烈なバブルの波に乗る米国株に対する投資チャンスの掴み方、さらに逃げのタイミングについては、拙著(『金融暴落! グレートリセットに備えよ』)第5章に詳細に記してあるので、是非、お読みいただきたい。
ただし、2025年のどこかの時点で米国株式市場は確実にクラッシュします。天文学的負債を抱え込み、自国通貨ドルに価値を見出せなくなった米国のガラガラポンが始まるのです。クラッシュするときには、もう何もかもが衝撃的な速度で下がります。最悪、ピーク時から10分の1まで暴落すると私は見ています。
――岸田政権は2024年から新NISA制度をスタートさせ、ますます貯蓄から投資への動きを促そうとしています。グレートリセットが起こるとしたら、個人投資家はどのような対策を講じるべきでしょうか?
多くの個人投資家が投資信託で資産運用を行っているようですが、私自身はあまり勧めたくはないですね。なぜなら、投信は「お金に働いてもらう」という安易な考え方に立脚しているからです。
投資信託の考え方は、高いところも買ったけれど、下落して安いところも買えば、平均したらそこそこ、また高くなっていけば、いいところで売れるよね、というものです。このようにお金に働いてもらうとする考え方が日本国内で浸透してきているから、いまは投資信託に莫大なお金が投入されています。
ですから、そういう考え方の人たちは2024年の最後のバブルのときに、持ち株を全部売るか、アセット・アロケーション(資産配分)で少なくとも3分の1はゴールドに換えるとか、そういうアクションに出ないと、金融資産を根こそぎ奪われてしまうでしょう。例えば日経平均連動の投信ならば、バブルが破裂すると、ピークの3万2000円くらいから、4000~5000円まで瞬く間に急落するでしょう。
従来ならば、株バブルが崩壊して安くなったらまた買えばいいとする仕切り直しもありでした。けれども、今回の株バブルの崩壊後はおそらく20~30年間、株は上昇しないと思いますので、復活は不可能です。
そのときに価値が急上昇するもの、それがゴールドです。ですから、極論を言えば、最後のバブル崩壊時にゴールドでヘッジできた投資家のみが助かるでしょう。