2025年、世界経済崩壊で株相場は10分の1まで下落!? そのとき生き残るために持っておくべき「資産」とはいったい何か?
「2024年末から史上最大規模の新たな金融危機が始まる」と警鐘を鳴らす為替トレーダー・岩永憲治氏の連続インタビュー最終回。世界経済が崩壊した後、時代は株(バーチャル)から現物(リアル)へと転換すると予測する岩永氏。そんな中、生き残るために持っておくべき「資産」とは?(全4回の4回目)
時代は株(バーチャル)から現物(リアル)へ
本来ならば、これだけNYダウが強くて株バブルになって、金利が高くなっている状況下ならば、どう考えてもゴールドは1000ドル割れしていなければおかしい。それが現実には2000ドルです。
この現実から、もはや株(バーチャル)の時代は終焉し、今後はゴールドを含めた貴金属、農作物などのコモディティ、資源エネルギー…つまり現物(リアル)の時代が到来するという答えを導き出すことができます。これを知ってか知らずかわかりませんが、著名投資家のウォーレン・バフェットは現在、原油および天然ガスの採鉱、開発に携わる会社の株を積極的に買っています。
――金融暴落に備えてゴールドの保有が有効なのはわかるのですが、多くの人がそれに気付いて、品薄になって買えなくなる可能性はあるのでしょうか?
ないと思います。理由は、米国が金利を上げてくるからです。同時にこれからNYダウが上昇速度を増していく。ゴールドが急騰するのは24年の年末あたりからでしょう。そのタイミングとは、NYダウが〝急落〟し始めたときです。それを合図にFRBがどんどん政策金利を下げてきます。そのときにはゴールドの価格は一気に4000ドル近辺まで上昇するのではないかと思います。
それまでは金利の付かないゴールドは落ち切らず、かといって上がりもせずといったジリジリした動きを見せるので、買えなくなるようなことはないと思います。
1929年に始まった世界大恐慌のとき、国際金融資本の連中は「公共株」を買い漁りました。大恐慌が続いている間は生活に不可欠なことから、配当が出やすく、株価の変動しにくい電力やガス、水道、燃料などの公共関係株に触手を伸ばしたのです。
そして1932年に景気がボトムを打ったのを確認すると、今度はパフォーマンスが期待できるベンチャー、一般産業株の投資に方向転換を遂げていて、そのしたたかさには脱帽です。
おわり
写真/shutterstock
2024年金融大暴落「グレートリセット」が、全世界にリーマン・ショックの10倍のショックをもたらす理由はこちら
敏腕トレーダーが占う2023年「米国発世界的株高」からの2024年金融大暴落“悪夢のシナリオ”はこちら
2023年3月24日発売
1,870円(税込)
四六判/288ページ
ISBN:978-4-08-786139-6
もうすぐリーマン・ショック級の金融危機が起きる!?元敏腕トレーダーが近未来の経済危機を予測し、潮目の見方を指南!
リーマン・ショックから15年。コロナ禍やウクライナ戦争で世界の情勢も変わり、それまでのグローバル経済は立ち行かなくなった。最大の問題は世界的なインフレが止まらないこと!世界中にお金があふれ、生産地と消費地の間のいたるところでボトルネックが発生した結果だ。2022年からアメリカは金融を正常化しようとして急速な金利の引き上げを行っているが、その体制下で新たな金融危機が起こる可能性が飛躍的に高まっている。(2023年3月半ばにも、アメリカではIT系の投資に積極的だった3つの銀行が破綻し、米国財務省の即断の政策により金融危機が未然に防がれた。)
そんな予断を許さない情勢のなか【次なる史上最大の金融危機が2024年末前後に起こるであろう】と予測する。既に経済不況に突入したという意見もあるが、リーマン・ショック後の為替変動をいち早く予想した著者は、もう一度バブルの最後の吹き上げが起こり、2024年の大統領選の終わるころには米国経済においては株価が上がって景気も良くなったというユーフォリア状態に陥るという。そして誰もが予測もしなかった状況で反転し、最終的には1929年の大恐慌やリーマン・ショックを超える危機が来ると言う。
その兆候はいつ、どんな形で現れるのか?過去のバブルとその崩壊の歴史を紐解きつつ、トレーダー時代に培った「潮目の読み方」を披露する。
自衛隊での訓練経験を持ち、外資系金融機関で様々なキャリアを経た著者は、独自の情報収集力に優れ、危機管理意識も卓越している。そんな著者が日本人の誰もがこれからの困難な時代に自分の金融資産を守り生き抜くために是非とも読んでほしいと、渾身の思いで書いたデビュー作である。