「美味しかったです」のひと言を言うだけで、「接続」は発生している

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──日常生活で、気軽に「接続」する方法はありますか?

家の中に引きこもって、だれとも会話していないと、新しい自分が生まれない。外面も内面もひとりっきりになってしまい、孤立してしまいます。

だから、とにかく外に出かけてほしいんです。いろんなところに出かけてもいいし、散歩でもいい。散歩のルートを毎日違うルートにすることでもいいですし、そうすることによって偶然が発生する可能性が高まります。

入ったことがない飲食店にたまたま入って、店主に「美味しかったです」って言うと、もうそれだけで「接続」するコミュニティになっているんですよ。そのレベルの繰り返しで十分です。

僕は、ひとり旅によく行くんですけど、あえておばあさんが一人でやっているような田舎の地味な店に入ったりします。そこに、特別美味しい料理を求めているわけじゃないんですね。おばあさんの手料理の味を楽しみ、地方ならではの味付けの話をすると、おばあさんもたまに来た客だから話が盛り上がります。そうすると聞いてもない、そのおばあさんの人生の歴史まで聞かされて、新しい発見があったりします。

人見知りだからと心配する必要はなく、自分を旅人の環境に置くことで、案外会話がスムーズにできたりします。とりあえず行動する、外へお出かけしてみる、誰かと接続してみる。接続の回数を増やす。そうしているうちに、顔つきも幸せそうな感じに仕上がっていくのではないでしょうか。


取材・文/集英社オンライン編集部