筋肉量と優勝回数は比例しないが…

では最終的に、プロとして戦う上で、ムキムキな筋肉は有効なのか?

「筋トレしたらゴルフがうまくなるかと言えば、そんなことはありません。筋肉量と優勝回数は比例しません。

ただ、石川だって、あれだけムキムキになれば、たしかにパワーはついたろうと思います。それと故障しにくくなったんじゃないでしょうか。

自分が学生の頃は、筋トレなんて先輩のキャディバッグも一緒に担いで回ることくらいだったけど、今は高校生だってウエイトトレーニングをやってます。

そうしたほうがゴルフという競技にプラスだという判断があるからですよね」

もうひとつの要素として、アスリートが大人の体になっていく過程で、マッチョな方向に向かうということもあるようだ。

「石川とか松山は、10代の頃からプレー中の写真が残ってますよね。特に石川は15歳で初優勝しちゃったわけだから。その頃はふたりとも、いわば子どもの体で線が細い。

一般のファンも含む我々は、そのときから見てるからなにかすごく意図的に体をつくってるように感じるけど、その変化はふたりの成長なんですよね。

まあ今、石川はマッチョで松山は野武士みたいな体躯になってますけど」

マスターズ王者ラームはガチムチ、石川遼もマッチョ化! ゴルフに“ムキムキボディ”は必要なのか?【タケ小山が解説】_4
16歳の石川
マスターズ王者ラームはガチムチ、石川遼もマッチョ化! ゴルフに“ムキムキボディ”は必要なのか?【タケ小山が解説】_5
21歳の石川
すべての画像を見る

プロレベルでは、筋トレは必要だが、特に“ムキムキボディ”であること自体はそれほど重要ではなさそうだ。

しかし、アマチュアレベルでは、ケガをしない、安定したプレーをするために、適度な筋トレはできるものならやっておくに越したことはないだろう。

取材・文/志沢 篤
写真/共同通信、Getty Images