視聴者の声がモチベーション
――アナウンサーというお仕事に就いて12年。一番やりがいを感じる瞬間は?
たくさんありますが、オリンピックは特別でした。
'12年のロンドン、'16年のリオと現地取材し、現場の盛り上がりや選手の声を日本に届けながら、頭の中にはずっと'20年の東京オリンピックがありました。ロンドンとリオでの経験を糧に、東京ではもっと臨場感を持ってみなさんにお伝えしたいと思っていたのですが…。
――1年の延期、そして無観客での開催となってしまいましたね。
だからこそ、私たちがよりいっそう、アスリートの皆さんの思いや、現場の“空気”を伝えなくてはならないと肝に銘じました。
映像と音声があるのはテレビの最大のメリットで、迫力のあるプレーや、ボールの音などもお届けできるし、カメラに映らない裏側の部分は、私たちアナウンサーが言葉にしてお伝えできる。
見てくださった方の「テレビで見ていても楽しかった」「感動した」という声が、本当に嬉しかったですし、やりがいを感じました。
――いま、アナウンサーというお仕事をしていることが幸せですか?
テレビは基本的に一方通行のコンテンツなので、ずっとスタジオにいると視聴者の方のリアクションを感じることが難しい。
ですがロケに出たり、現場取材に行ったりしたときに「この間の番組、おもしろかったです」や「紹介されていた場所に実際に行ってみました」と言っていただけるのは、モチベーションに繋がりますね。
――これから、どのようなアナウンサーになっていきたいですか?
アナウンサーとして、きちんとお伝えするという基本は大切にしつつ、私自身が皆さんに親しみを持っていただける、安心感がある存在でいたいですね。
干支がひとまわりしましたし、初心にかえって頑張ります!
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取材・文/工藤菊香 撮影/石田壮一 ヘア&メイク/尾古夢月