「支援金は10万円か30万円か、まだ決まってない」

このように、学校に残った学生たちの間にも、学校への不信感が募っていた11月15日。理事長自ら、学生たちを説得すべく開かれたのが、冒頭の説明会だ。
今回、取材過程で入手した約68分にも及ぶ説明会を記録した音声データの一部を公開する。ウクライナ避難民や学費に対する清水氏の考え、そして前橋市から下りるはずだった補助金にまつわる事情の一端がうかがえよう。

ウクライナ軍がヘルソン(ウクライナ南部の都市)を奪還した当時の戦況に触れ、その喜びをしみじみと語り出す清水氏は、すぐに本題であるお金の話に移る。

「今日は学校の立場を理解してもらいます。『損得勘定で考える』。ここが1番重要です。損得勘定。『どちらがお得ですか?』ということ。私たちが得か、みなさんが得か。どちらが得かという問題です。最初に結論を言います。両方損なんです。
(中略)
問題は支援金です。10万円とか30万円です。まだ決まってないんです。(中略)みなさんから1円でもお金をもらうとこれ(註:市からの補助金)は0ですよ、と言われているのです。みなさんからお金をもらわなければ、私たちはお金を960万円もらえるかもしれない。どちらが得でしょうか」(清水澄・当時理事長)

清水氏が「まだ決まってない」としている支援金とは、前橋市が避難民に支払う「日本語習得支援」のこと。当初、前橋市は避難民1人につき「授業料半年分と教材費等(上限30万円)」を支給することを公表していたが、昨年6月に上限30万円から10万円に減額されていた。

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前橋市のホームページに記載された当初の支援内容

「960万円」という金額は、補助金1人当たり(30万円)×当時在籍していたウクライナ避難民(32人)の合計額であり、清水氏がまだ30万円の補助金を、完全には諦めていなかった様子がうかがえる。そして清水氏は、こう諭すのだった。