大声でライバル店の店主に詰め寄る姿や警察官が仲裁にはいる姿が…
栃木県那須町の河川敷で飲食店運営会社社長、宝島龍太郎さん(55)ら2人の遺体が燃やされていた事件で、身元がわかっていなかった小柄なもう一体の遺体は消息不明の妻のA子さんである可能性が高いという。捜査関係者によると、死因は二人とも首を絞められたことによる窒息死だが、A子さんの頭部や顔には激しい暴行が原因とみられる大きな損傷があり、犯人が強い憎しみを持っていたことをうかがわせている。
宝島さんは東京・上野で焼き肉屋や居酒屋など14店舗を展開する「サンエイ商事」の社長で、A子さんも取締役を務めていた。飲食店の激戦区で手広く店を構えた夫婦は「やり手」とみられていたが、客引きをめぐるトラブルが頻繁に起き、A子さんは社長に次ぐ肩書を持ちながら、路上に乗り出していってライバル店の店主や従業員と一歩も引かず“やりあう”ことで有名だったという。冒頭の動画の描写は宝島夫妻がある店舗と客引きを巡るトラブルになった際、撮影された“揉め事“の一部始終だ。
さらに遺体が発見された6日前の4月10日、宝島夫妻は別の飲食店ともトラブルになっており、その際の動画を取材班は入手した。動画では宝島さんが妻のA子さんと共に大声でライバル店の店主に詰め寄る姿や、警察官が仲裁にはいる姿が確認できた。
「この日は店の看板をめぐってのトラブルでした。宝島夫妻はこのライバル店の店主から『暴力を受けた』と訴え警察を呼んだようです。店主は『触ってもいない』と主張し、動画にも暴力の様子は映っていなかった、逮捕者はでなかったといいます」(近隣の店舗関係者)
県警は都内の交番に出頭し事情聴取を受けていた平山綾拳容疑者(25)を21日に死体損壊の疑いで逮捕しているが、捜査は慎重におこなわれている。
「平山容疑者は『アニキに頼まれて車や凶器を準備した』『(アニキの)名前はいえない』といった供述をしており、主犯や共犯が明らかになっていない。警察はこれまで、宝島さん夫妻が激しくもめていた店舗の従業員や元従業員からトラブルに絡んで何か情報がないか聞き込みを続けています。一方、サンエイ商事内部の従業員や退職者からも給料を巡る金銭トラブルなど、宝島さん夫婦に最近異変がなかったかも聞いている。ライバルや敵も多かったため、可能性を“潰す”作業にも時間がかかっている」(社会部記者)