「訴訟は当面続きます」

サンエイ商事はJR御徒町駅から上野駅にかけてのエリアで14店舗を展開し、その一角が「宝島ロード」と呼ばれるほど勢いのある経営をしていた。だが「周辺の店との間で客の奪い合いでしょっちゅう揉めごとが起きていた」と近所の飲食店関係者らは口をそろえる。

トラブルも多かった宝島夫妻
トラブルも多かった宝島夫妻
すべての画像を見る

こうした中で宝島さん夫婦とサンエイ商事幹部社員の男性D氏の3人は、昨年3月に飲食店B店の社長C氏から暴行を受けたとして、昨年11月に東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしている。25日にこの裁判手続きが非公開で行われた。社会部記者が言う

「宝島さんとCさんの間では、先にCさんのほうが営業妨害を受けたとして損害賠償を求める訴訟を昨年10月に起こしており、その後宝島さん側も暴行を受けたなどとしてCさん側を訴える訴訟を3件起こしています。25日に行なわれた裁判手続きはその3件のうちの1件です。原告3人のうち宝島さん夫婦の2人が亡くなり、残るはDさんだけになりましたが、民事訴訟は親族が引き継ぐこともできるため、裁判がすぐに止まることはありません」

訴訟の関係者も25日の手続き終了後、「先にどうなるかはわかりませんが訴訟は当面続きます」と話した。

別の関係者によれば、宝島さん側はこの訴訟で、C氏側がサンエイ商事従業員を引き抜いたことで起きたトラブルについて協議を求め、昨年3月25日夜にB店を訪れた。そして店の前で待っていたところ、外から到着したC氏ら2人が宝島さん夫婦とD氏の顔面や頭、首などを突然、一方的に殴ってきたと主張。

3人はいずれも2週間の加療が必要な打撲傷などを負ったとして、計約358万円の賠償支払いを求めている。

宝島さん夫妻
宝島さん夫妻

対するC氏の主張は正反対だ。

「Cさんは、従業員を引き抜いたことはないと主張しています。騒動が起きた夜は、Dさんが首などから刺青を見せながら店に何度も侵入しているとの連絡を従業員から受けて店に駆け付け、宝島さんら3人を店の外に追いやろうとした。

その際、傘で腹を刺されたり、中国語や朝鮮語で『バカ野郎』『浮気者』『犬以下のクズ』という暴言を浴びたりしたとも言っています。Cさんはその過程で幸子さんとDさんを2回ずつ殴ったことを認めていますが、差し迫った不正行為をやめさせるための攻撃で、大幅な過失相殺が認められるべきだと裁判所に求めています」(社会部記者)