これまでの経緯を振り返ると…
栃木県警は警視庁と合同捜査本部を設置し、遺体を現場に運んだ車両を提供したとみられる建設業、平山綾拳容疑者(25)を死体損壊容疑で逮捕した。しかし被害者と容疑者は接点に乏しく、殺人・死体遺棄事件の主犯格にはたどり着いていない。客引きをめぐる日常的なトラブルに加え、遺体損壊の残忍な手口が醸し出す猟奇的な強行事件はどういう結末を迎えるのかー。
集英社オンラインは発生から総力取材を続け、♯8まで連日事件を詳報してきた。これまでの経過をおさらいする。
事件は4月16日早朝、那須町伊王野の林道脇の河川敷で「マネキンのようなものが燃えている」と不審に思った通行人の一報から始まった。実際は人形ではなく、両手を結束バンドで縛られ、頭部をビニール袋と粘着テープでぐるぐる巻きにされた男女の遺体で、これらは仰向けにX字に折り重ねられ、炎を上げるほど燃えていた。
近くには燃料用の携行缶が放置されていた。栃木県警捜査1課は那須塩原署に捜査本部を設置、男性の遺体はすぐに宝島さんと判明したが、女性の遺体は顔や頭部を鈍器のようなもので激しく殴打されて骨折するなど原型をとどめておらず、身元確認が難航。
司法解剖の結果、遺体はいずれも頸部圧迫による窒息死と判明し、殺害後に現場に放置、火をつけた殺人・死体遺棄・死体損壊事件であることが明らかになった。
一方で翌17日朝、東京都品川区の大崎署五反田駅前交番に平山容疑者が「栃木の事件に関与したかもしれない」と出頭。
警視庁捜査1課が同署に捜査本部を設置して平山容疑者の車などを押収し、栃木県の遺棄現場付近を走行していた防犯カメラ映像などを分析するなど捜査を進め、21日に遺体に火をつけた死体損壊容疑で逮捕した。