セラピストの人気を競う売上ランキングバトルも
日本で最初に女性用マッサージ店が誕生したのは1990年といわれる。その後、インターネットの普及に伴い掲示板などで情報交換がされたり、人気作家の石田衣良による会員制ボーイズクラブを舞台にした小説『娼年』が話題を集めたりするなかで、2000年代から徐々に一般層にも知られるようになっていき、近年、その勢いは増すばかりだという。
女性用マッサージ店情報サイト「Kaikan」の管理人は言う。
「2018年に『娼年』が松坂桃李主演で映画化されて一般女性から注目度が高まり、2022年末には、某人気女性芸能人と思われるLINEのメッセージ画像が流出。そこで女性用マッサージ店を利用しているようなやりとりがあったのも業界には追い風になりました。
現在、女性用マッサージ店は全国で300店舗以上存在し、関東だけでなく近畿地方でも盛んです。最近は女性用マッサージ店の系列店としてバーを営業するセラピストもおり、そこで仲よくなって女性用マッサージ店へとつなげるケースもあります」
利用者が急増している女性用マッサージ店だが、なかには性的サービスを受けることよりも、セラピストを応援することが目的となっている女性客が増えているという。いわゆる“セラピストのホスト化”だ。
セラピストに“ガチ恋”した女性客は、推しを店舗内で行なわれる売上ランキングの上位へ押し上げるために予約を埋めたり、24時間や2泊3日コースなど「貸切」して多額の料金を支払ったりすることもあるそうだ。だが、そうしたなかで、セラピストと利用客の間でトラブルも起こっている。
一般企業で働きながら当初は月3回ほど女性用マッサージ店を利用していたアツコさん(仮名・31)は言う。
「自身がランキングバトルの上位に食い込むため、セラピストが女性客に予約をねだる行為が横行しています。私もセラピストのAにねだられ、彼を応援したい気持ちもあって予約金を前もって入金してしまったのですが…」