「パンフレットはデタラメだった……」

冒頭の発言は、昨年11月15日。まだニッポンアカデミーの「学費請求問題」が報道される以前に、ウクライナ避難民の学生たちを集め、清水氏が「学費請求の正当性」を説いた説明会で飛び出した発言だ。まず、この説明会に至るまでの流れを時系列に沿って、ざっと振り返ってみよう。

ウクライナ避難民を支援している団体関係者によると、これまでニッポンアカデミーが受け入れた避難民は総勢40名。第1グループの10名が昨年6月6日に入学したのを皮切りに、大きく4つのグループに分かれて来日したという。

一部の学生は、“半年間は学費無料”という認識で来日し学校生活を送っていたのだが、昨年9月末ごろに、学校側が学生に授業料を請求し始め、翌10月には授業料有償化を不服として7名の生徒が学費不払いのまま除籍処分になっている。
学校側による学費の請求は「突然の出来事だった」と語るのは、第2グループとして7月に来日したルニン・ヴラディスラヴさん(24歳)だ。

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インタビューに応じるルニン・ヴラディスラヴさん

「(来日から)3か月後の9月末に学費の説明があり、10月に書類が配られ、お金の支払いを要求されました。何の根拠もなく、何の理屈もなく、事前の説明もなく、授業料の支払いを命じられました。パンフレットはデタラメだった……」(ルニンさん)

突然学費を請求された時の気持ちを問うと、「どういう気持ちって……。ふざけている」と嘆息するルニンさんが言う「パンフレット」とは、ルニンさんらが来日直後に配られた、支援内容などが英語で明記された書類のこと。
そこには、アルバイトで十分に稼ぐことができるまで、6か月間は学校が手助けするとして、ニッポンアカデミーの学費と教材費が無料と書かれている。

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ルニンさんがもらったパンフレットには学費と教材費が6か月無料と記載されている

「『6か月』とここに書いてあるのに……。しかし、契約書を交わしておらず口約束だけで私たちは日本に来たので、学校側は法的な義務を負わない。そのために、条件が変更されてしまった。ウクライナ人は避難民ですから、避難先の国での自分の権利すら、把握するのは難しいのです」(ルニンさん)