ここ10年以上ずっと、世界規模で続いているスニーカーブーム。ナイキの時価総額は10年前から約5倍に成長し、レアスニーカーは定価の10倍以上の金額で取引されるなど、まさにバブルと言える状況が続いている。
そのブームの謎を紐解く上で、スニーカー芸人の先駆けアントニー(マテンロウ)ほど最適な人物はいないだろう。
定価の25倍で取引される自慢の一足
――アントニーさんが所有する中で、最も取引価格が高いスニーカーはどれですか?
価格の変動もけっこうあるんで、ざっくりになっちゃうんですけど、多分このナイキのエアジョーダン1の“シカゴ”かなと。
いま国内でスニーカー取引に一番使われているのが「スニーカーダンク」というアプリで、そこで大体の取引価格がわかるんですけど…。
僕のサイズの30センチだと、ちょっと前までは15万円くらいだったのが、今は50万円くらいになっていますね。
――購入は正規販売ですか?
本当にありがたい話で、昔からスニーカーとかファッションでわからないことを教えてもらう、師匠的なアパレル業界の人がいて、その人から誕生日プレゼントでいただいたんです。
その人は定価で買っていて、それが2万円くらいですからね。
――そのスニーカーが発売された2015年当時は、今ほどブームは過熱していなかった?
今ほどではなかったかもしれないですね。でも2018年には『アメトーーク』の「スニーカー芸人」の第1回目があって。今33歳なんですけど、25歳くらいの頃からずっと巷ではスニーカーブームが続いているような感じがします。
最近は普通に買えないのが当たり前になっていて、スニーカーにそこまで興味がない人でも、ナイキの抽選に申し込んでたりします。
――SNKRSというNIKEが公式に運営する、抽選用のアプリもあります。
抽選なんかは、かつてはスニーカー好きの人しかやっていなかった文化ですよね。そう思うとずっとブームが続いてるといえますね。