いつも何気なく見ているブランドのロゴマーク。
よくよく考えてみると、不思議に思うものがないだろうか。
なんでワニなの?
どうしてカンガルー?
この幾何学的な模様はいったい何?……と。
見慣れてしまったため、いまさら深く考えもしないブランドのロゴマークには、実は創業者の思いやブランドの歴史が反映されていて、ひもといてみるとなかなか興味深い事実が隠されている。
今回はロゴマークが特によく目立つブランドの中から、スポーツ、アウトドア、カジュアルに絞り、考察してみよう。
3大スポーツブランド、アディダス、ナイキ、プーマのロゴマーク
新旧ロゴマークを使い分け
adidas アディダス
1949年に創業したアディダスは、現在、2つのロゴを使い分けている。
アディダスの代名詞である3本線を山のように配置した“パフォーマンスロゴ”と、三つ葉をモチーフにした“トレフォイルロゴ”だ。
古いのは“トレフォイルロゴ”の方で、初登場は1972年。
「月桂冠」を三つの葉で表したデザインで、「トレフォイル」とはドイツ語で“三つ葉”という意味だ。
1972年から1995年までアディダスのカンパニーロゴとして使用されたのち、一旦は役目を終えて“パフォーマンスロゴ”にバトンタッチしたのだが、ファンからの熱望する声もあり、アディダスの歴史を落とし込んだストリートウェアブランドとして2001年に新登場した「アディダス オリジナルス」のロゴとして復活。現在に至る。
かたや“パフォーマンスロゴ”の初お目見えは1990年。
当初は“アスリートのパフォーマンスを最高に引き出すこと”をコンセプトにした「エキップメントコレクション」のロゴとして使われ、前述のとおり後にカンパニーロゴへと昇格した。
現在も通常レーベルのロゴとして、アディダスのスポーツウェアを中心に用いられている。
アディダスの象徴である3本線は、フィット感をあげるためにシューズのサイドアッパーに施された3本のバンドが原点。
その3本線をデフォルメして“パフォーマンスロゴ”に仕立てたのは、ナイキの「エア ジョーダン」シリーズで用いられる“ジャンプマンロゴ”もデザインしたピーター・ムーアである。