故・安倍総理も立腹した財務省の「嘘」
さて、異次元の金融緩和は、10年間続けたものの2%の物価安定目標は達成できていない。そこで、急に積極財政を言い出す議員たちが自民党内に登場し、国の「借金」をものともせず、異次元の金融緩和は日銀が国債を「爆買い」する手段となって、それが「借金」を支えているといった論調まで登場するに至っている。
しかし、アベノミクスは異次元の金融緩和のみを主張し、実施してきたものではない。1本目の矢と先に書いたとおり、2本目の矢がしっかり存在する。機動的な財政政策である。
そしてこの異次元の金融緩和と機動的な財政政策は連続・一体の関係にあると言ってよく、それによって物価安定目標2%を達成しようとしていたのである。
突如として財政政策が登場したわけではなく、金融緩和もやり財政政策もやってきたが、財政政策が不十分なものであったから、今度はそれを拡大しようというだけの話である
そして、財政政策が不十分なものとなってしまったのは、閉じているワニの口を無理矢理開けさせた「ワニの口」なる嘘話を吹聴してまで行われた財務省による歳出抑制=緊縮のワナや、2回にわたる消費税増税により経済が落ち込んでしまったことによるもの。
増税しても経済は大丈夫だと嘘の主張をしたのは、他でもない財務省のようであり、増税の結果、目に見えて経済が落ち込んだことについて、故・安倍総理は相当ご立腹だったようだ。
そもそも国債は「借金」ではない。国債という形式による、発行額の範囲内での通貨発行である。「借金」だというのであれば、誰からの「借金」なのか?