減塩以外の料理ではどんな変化が起こる?
次に、もともと塩気が強い「チャーハン」にチャレンジ。こちらに減塩などはしておらず、『エレキソルト』を使わずに食べても充分味は濃かった。ということは、『エレキソルト』を使うとかなりしょっぱく感じることになるのだろうか。
先ほどと同じく“スプーン型”を使用して一口食べてみた。だが、塩気は感じるのだがなぜか“しょっぱすぎる”とはならず、「普通のチャーハンだな」という感想。さほど効果を実感できなかった。
この結果について佐藤さんに伺うと、「人間は一定以上の塩気を感じると感覚が鈍化する傾向がある」とのことで、そういう理由だったのかもしれない。ただ、むしろ濃い味のものを食べても余計な変化がないというのは、『エレキソルト』を常用する場合に好都合だろう。
最後は、あまり効果がないというスイーツにあえて挑戦。ホイップクリームの入った「カップ入りスポンジケーキ」を食べてみた。
「あれ、なんか普通に食べるより味がはっきりして美味しいかも……」。筆者の舌がおかしいのかもしれないが、なぜか効果を実感できてしまった。
「なぜでしょうね……」と困惑気味の佐藤さんとともにパッケージの裏を見てみると、クリームに風味付けでレモン汁が入っていた。この酸味が強化されたことで、味の輪郭がはっきりとしたようだ。
――開発当初は剥き出しの電線をつないでさまざまな実験を繰り返したそうだが、たゆまぬ研究の末に現在のスリムな形状になったという『エレキソルト』。佐藤さんは「味気ないと言われがちな薄味のお食事で使っていただき、食のフラストレーションを解消できたらいいですね」と商品化への展望を語ってくれた。
取材・文/TND幽介 撮影/井上たろう