尊敬するところがないと夫婦関係は難しい
――関係は変わっていくということを前提に、お互い、努力しないといけないですよね。
そうなんですよね。日本的な家庭をイメージしていると、結婚すると新しいお母さんができたように感じてしまう方もいると思うんですよね。今までひとり暮らしだったけど、奥さんにご飯も作ってもらえて、家事もやってもらって本当ハッピー、みたいな(笑)。
――女性側にも、妻のほうが家事をやるというような意識はまだ強いと思いますね。
あると思いますね。でも、徐々に変わってきていると思います。私の息子は今、大学生ですけど、子ども世代にとって夫婦共働きは当たり前だし、身の回りのことは自分でできなきゃいけないとわかっていますし。若い人たちと話していると、変化を実感しますね。
――欧米では結婚するときに、家庭生活について契約書を交わしたりもするそうですが、そういう約束事をすると何か変わると思いますか?
日本はそれでうまくいくのかな?と思いますけど、ある程度のことを決めておくのはいいと思います。たとえば、ふたりで仕事を続けるのなら、家事を分担して、「ゴミ捨ては夫がやる」とか、具体的に決めておいたほうがお互いやりやすいと思うんですよ。結婚するときに、「君を守る」とか言われてもね。
――ざっくりすぎますよね(笑)。
それよりも「週に3回、ゴミは出すよ」のほうがいいですよね(笑)。家事ってすごくいっぱいあるから、それを片方が全部やるとなると、へとへとになってしまう。そういうところからすれ違いが生まれて、それがセックスレスとか、夫婦の問題につながっていくんですよね。手を思いやる気持ちが夫婦を支えるので、思いやれない人とはしたくないっていうのは、当たり前の気持ちだと思います。
――思いやるどころか家庭内でのお互いの地位を下げていくというか、外でもパートナーのことを悪く言う風潮がありますよね。
そうそう。性生活に限らずですけど、夫婦生活って、お互いに尊敬するところがないと難しいですね。「こいつ、ダメだな」と思いながら夫婦を続けていくのは、やっぱり難しくて。