家庭内で抜け落ちてしまう「私」の存在

――「空気じゃない」と思い始めるのは、すぐにできる気がします。

そうですね。あとは、自分を大事にすることですね。自分だけが無理をしても、問題解決にはならないので。お互いがいい人生を送るための夫婦生活ですから、自分をないがしろにしたり、相手に合わせすぎたりしても続かないですよね。家族としてうまくやっていこうとすると、「私が我慢すればここは収まるんだ」っていうシーンが多いじゃないですか。

「レスの悩みにセクシー下着はいらない」なぜ夫婦はセックスレスになるのか? 失われた「私」を取り戻す戦いを描く『私の穴がうまらない』_6

日本人って家庭運営には長けているかもしれないけど、家庭内での個人の幸せはないがしろにされがちで。家族も人間が集まっているんだということを忘れがちなので、そこは気をつけなきゃと思いますね。夫も自分もひとりの人間だと思うところから始めないといけなくて。
作品のタイトルにも「私」が入っていますけど、「私がどうしたいか」が大事。妻でもあって母でもあるけど、その前に「私」だよなって思うんです。

――「私」を忘れて、がんばっている人が多いですよね。

どうしても、母とか会社員っていう肩書きをちゃんとやろうって思うと「私」が抜けがちなので。そこは大切にしたいですよね。

#1 夫以外の相手を見つけても解決しないレスの解消法は…

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「レスの悩みにセクシー下着はいらない」なぜ夫婦はセックスレスになるのか? 失われた「私」を取り戻す戦いを描く『私の穴がうまらない』_7
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取材・文/川辺美希 撮影/竹花聖美

『私の穴がうまらない』(KADOKAWA)
おぐらなおみ
「レスの悩みにセクシー下着はいらない」なぜ夫婦はセックスレスになるのか? 失われた「私」を取り戻す戦いを描く『私の穴がうまらない』_8
2020年2月28日
1155円(税込)
単行本 160ページ
ISBN:978-4-04-064309-0
『レタスクラブ』連載で話題の”レス”夫婦コミック、待望の単行本化! 心と体にぽっかりとあいた、満たされない「穴」はどうすればいいの? それぞれの”レス”をほろ苦く描く、フィクションコミックエッセイ! フリー編集者のハルヒは、夫・マサルと中学生の娘・アラタの3人暮らし。気づけば夫とは何年も”レス”状態が続いており、虚しさを抱えていた。現代の夫婦の在り方をじわりと問うリアルな展開に読者騒然! レス夫婦の行きつく先は、離婚か、それとも…?
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